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伊藤忠とCPグループ 中国のCITICと戦略的提携

 伊藤忠商事とCPグループ、中国のCITICは一月二〇日、折半出資するチアタイ・ブライト・インベストメントを通じてCITICに出資することで合意したと発表した。3社は広範な地域および事業分野での協業を目的とする戦略的業務提携の実施についても合意した。アジア有数のコングロマリットである三社が密接に連携することで、今後、多くの協業のチャンスが実現すると期待している。

 中国最大のコングロマリットであるCITIC、アジア有数の多国籍企業であるCPグループとの戦略的業務提携は、伊藤忠の中国・アジアを最重要地域とする非資源分野を中心とした成長戦略を大きく前進させることになる。3社間の戦略的業務提携に加え、伊藤忠とCPグループの共同出資会社からはCITICへの資本参加、取締役派遣などを行ない、より緊密な提携で、ビジネス機会創出による収益拡大を図る。

 発表によれば、チアタイ・ブライトはCITICの株式を総額約803億香港ドルで取得する予定。出資比率は約20%。CITICは北京に拠点を置き、香港に上場する、中国で最も古く、最も大きいコングロマリットであるCITICグループ・コーポレーションが78%を所有しており、そのビジネスは、金融サービス、資源・エネルギー、製造、不動産・インフラ、エンジニアリング・建設など多岐にわたる。特に金融事業に強みを持ち、本格的な国際化・多角化を推進する方針。伊藤忠は、CITICが国際化・多角化を推進していくにあたり、中国政府から一九七二年に最初に友好商社に認定されている。

 CPグループはアグロと食品を中心に、情報通信、流通、自動車、金融、医薬品などの事業を手がけており、アジア地域でさらなる事業展開を推進中。特に中国にはタイ資本の中でいち早く進出している。

 伊藤忠は、日本の総合商社でトップクラスの非資源分野収益力が強みで、幅広い分野における総合力、グローバルな調達・販売網と事業展開能力に秀でている。CPグループには、中国・アジアでの事業基盤があり、華僑ネットワークを持つという強みがある。CITICは中国政府との強固な関係、中国におけるブランド力が強み。3社が持つ各々の強みを融合し、それぞれが持つ既存事業インフラや機能の活用や、優良資産の共同取得により、今後も高い成長が見込まれる中国・アジア市場を中心に、幅広い事業領域でシナジーの最大化を追求することで成長を加速させる戦略。


日付 : 2015年01月26日

By : 週刊タイ経済

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