ユーザー名 パスワード
クイック検索
キーワード

工業生産指数 14年通年では4・6%減

 工業省工業経済事務局が一月二九日に発表したところによれば、二〇一四年一二月の工業生産指数(MPI)は前年同月比で0・35%減となった。ただし一一月の3・68%減と比べると収縮幅は縮小しており、改善の兆しが見られる。二〇一四年最終四半期(一〇~一二月)の同指数は2・4%減で、最初の四半期(一~三月)の7・0%減から改善している。通年の同指数は前年比4・6%減だった。

 ウドム・ウォンウィワットチャイ事務局長によれば、一二月の工業生産の改善は輸出が上向いたことが寄与している。一二月の工業製品(金地金を除く)の輸出額は4・1%増と引き続き拡大しており、一四年通年では1・4%増となっている。一方で、原材料(金地金を除く)の輸入は6・2%増となっており、生産が緩やかな回復傾向にあることを示すものとなっている。

 自動車工業は一二月期も生産が前年同月比で減少した。自動車生産台数は15万3669台で、前年同月比3・28%減。国内販売台数は8万9504台で、21・43%減、輸出台数は8万9146台で1・35%増だった。二〇一五年通年の自動車生産台数は前年比14・36%増となる215万台と見積もっている。内訳は国内市場向け生産が100万台、前年比13・43%増、輸出向け生産が115万台、同1・94%増。

 電機・エレクトロニクス工業の生産は一二月に2・12%減となった。特にエレクトロニクス工業の生産は2・83%減だった。HDDの生産減によるもので、半導体、集積回路の生産は上向いた。通信機器の需要増が寄与しており、通信機器・エレクトロニクス機器の最大市場である米国の景気回復が後押ししている。電機工業の生産は1・99%増。国内の購買力の回復を受けてエアコンの生産が伸びたが、電線、TV受像機の生産は減少した。一部のTVメーカーが生産拠点を他のASEAN諸国にシフトしたことが一因。二〇一五年については、電機・エレクトロニクス工業の生産は1~2%増と予測される。エレクトロニクス工業は、通信機器需要の拡大から0・5~1・0%増が見込まれている。電機工業は1~2%増となりそう。

 鉄鋼の一二月の国内消費量は前年同月比で2・73%増加したが、生産は1・96%減、輸出は23・72%減、輸入は5・56%減となった。鋼板は、ある熱延鋼板メーカーの工場の再稼動を受けて小幅増加した。二〇一五年通年の生産量は682~689万トンで横ばいと予測されている。国内需要は0~3%増が見込まれる。

 繊維・衣料工業では、一二月の繊維の生産量が前年同月比で2・02%増となった。国内外の市場からの引き合いが増えた。とくにインドネシア、ベトナムからの注文が伸びている。布地の生産は3・21%減。既製服の生産は17・72%増となった。二〇一五年に繊維・衣料の生産は引き続き増加しそう。繊維品はASEAN諸国からの引き合いが増えそう。既製服については、政府が生産拠点のCLMV諸国へのシフトを支援している。人件費が安く、欧州や米国などの主要市場で特恵関税(GSP)を得ることができるため。

 食品工業の一二月の生産は前年同月比2・5%減となった。青果と砂糖の生産が減少した。二〇一五年は0~5%増と予測されている。


日付 : 2015年02月02日

By : 週刊タイ経済

登録