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2月のインフレ率は0・52%減 2か月連続でマイナスを記録

 商業省が三月二日に発表した二月のインフレ率は前月に引き続きマイナスとなった。二月の消費者物価指数は106・15ポイントで、前月比で0・12%上昇したものの、前年同月比では0・52%減となった。インフレ率が2か月連続でマイナスとなったことを受け、商業省は通年予測を従来の1・8~2・5%増から0・6~1・3%増へと下方修正した。(16面のデータ参照)

 ソムキアット・トライラットパン商業省審議官によれば、消費者物価の前月比での上昇は、燃油価格の上昇や圧縮天然ガス(CNG)の値上げ、公共運賃の値上げによるところが大きい。また野菜・果物や水産品など一部の食品価格も値上がりした。食品・飲料物価は前月比で0・06%減。食肉は0・89%減、アヒル・鶏は0・69%減、卵・乳製品は0・42%減、野菜は5・05%減、その他食品・加工品は0・86%減となった。これに対し、魚介類は0・40%増、果物は3・74%増、調味料は0・08%増となった。

 非食品・飲料物価は前月比で0・23%減となった。家賃が0・11%増、地域交通公共運賃が0・51%増、燃油が1・86%増、仏具が0・12%増、アルコール飲料が0・20%増となった。一方で、建材の物価は0・01%減、家電の物価は0・06%減、清掃関連製品は0・04%減、個人ケアは0・07%減、非地域交通公共運賃は0・37%増だった。

 消費者物価指数は前年同月比では0・52%下落した。非食品物価が1・71%下落したことによるもので、特に自動車・運輸/通信の物価が6・43%下落した。一方で、衣料・靴は0・84%増、住居は1・33%増、医療・個人サービスは1・09%増、書籍・教育・宗教は0・67%増、タバコ・アルコール飲料は2・36%増だった。食品・飲料物価は1・72%上昇した。コメ・小麦粉・同製品が0・65%増、食肉・アヒル・鶏・魚介類が0・97%増、調味料が2・94%増、非アルコール飲料が0・88%増、既製食品が3・32%増となった一方、卵・乳製品は2・77%減、野菜・果物は0・24%減だった。

 一~二月の消費者物価は前年同期比0・47%減。食品・飲料物価は2・03%増、非食品・飲料物価は1・79%減だった。

 二月の生産者物価指数は前月比で0・6%増、前年同月比では4・9%減だった。一~二月の同指数は5・2%減。農業製品の生産者物価は前月比で0・9%増、鉱業製品は4・6%減増、工業製品は0・4%増となった。前年同月比では農業製品が1・2%減となったほか、鉱業製品は13・6%減、工業製品は5・1%減だった。一~二月の生産者物価は農業製品が1・4%減、鉱業製品が15・5%減、工業製品が5・3%減だった。

 ソムキアット商業省審議官は、原油安にともない上半期の物価は低い水準が続くものの、原油相場は今年終わりには、先進国が冬季を迎えることにともない反発すると予測。インフレ率が通年でマイナスになることはありそうにないと述べている。ソムキアット氏は、さらに重要なこととして、政府のインフラ投資により、家計の消費支出は上向いていくことで、需給も引き締まるとしている。

 商業省は第1四半期(一~三月)のインフレ率を0・4%減と予測している。0・6~1・3%増とした通年の予測は、原油相場を1バレルあたり50~60ドル、為替レートを1ドルー32~35バーツ、タイの経済成長率を3~4%増と仮定して試算した。

 カシコン・リサーチ・センター社(KRC)のチャーン・ケンチョン社長は、原油相場の動向から、二月のマイナス・インフレは想定内のものだと指摘した上で、コアインフレがプラス値にとどまり、消費者の信頼感が著しく低下をしているわけではないことからもデフレは生じないとしている。チャーン氏は、現在の経済情勢は原油安から生じるディスインフレだと述べている。別のエコノミストも、マイナス・インフレは制御可能ではない原油安というサプライサイドの要素により生じていると指摘している。


日付 : 2015年03月09日

By : 週刊タイ経済

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