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北部の煙害が空の便にも影響

 タイ航空の国内線スワナプーム空港発チェンマイ行きTG106号便は三月一六日、北部地方の大気汚染による視界不良のため、チェンマイ空港への着陸を断念し、スワナプーム空港に引き返した。タイ・ライオン・エアのドンムアン発チェンマイ行きも離陸後、ドンムアンに引き返した。またバンコク・エアウェイズのサムイ空港発チェンライ行き、タイ・エアアジアのプーケット発チェンライ行きも同日正午頃のフライトがチェンライ空港着陸を断念して引き返している。
 一六日の朝から昼にかけて、チェンマイ市内は極端に視界が悪くなり、微小粒子状物質濃度(PPM)は1立米あたり258ミクログラムを観測している。健康に安全なレベルは120ミクログラムとされる。保健当局は子供や高齢者、病人などは屋内に留まり、健常者も外出時にはマスクを着用するよう呼びかけている。
 ダーポン・ラタナスワン天然資源・環境相によれば、一六日の煙害はチェンマイ県メーチェム郡が最も酷い状況で、上空視察では少なくとも県内の10か所で山火事や野焼きが監察されている。ダーポン大臣は、北部10県地域の煙害問題について関係者会議を開き、雑草などを焼き払う農家を告訴する方針を決定している。
 プラユット首相は北部の大気汚染問題に国際レベルで取り組むため、関係諸機関に近隣国との連携するよう命じている。また野焼きについて法的取締を徹底するよう当局に指示している。首相は煙害問題は、近隣国も巻き込んだ長期の解決策が必要だと述べている。首相は野焼きについて、北部地方の農家の慣習でもあるため、呼びかけだけで自重させることは難しいと指摘。当局が野焼きを禁止する法律を適用する必要があるとした。
 一八日にはチェンライ県ムアン郡で観測史上最悪となる1立米あたり383ミクログラムを記録している。北部の山火事の消火活動にはシンガポール空軍が協力しており、ヘリコプター3機を派遣して、空から水を散布している。また山火事の消火活動には国立公園・野生動植物局も専門家を派遣している。
 汚染管理局の報告によれば、一九日に観測された微粒子濃度PPMは、メーホンソン県で236ミクログラム(以下同)、パヤオ県で228、ラムプーン県で215、ラムパーン県で186、ナーン県で181、チェンマイ県で168、ターク県で158、プレー県で142、ウタラディット県で89となっている。



日付 : 2015年03月23日

By : 週刊タイ経済

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