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AFETとTFEXの合併 7月までに完了見通し

 タイ証券取引所(SET)のサーティット・リムポンパン理事長は三月一六日、タイ金融先物市場(TFEX)とタイ農産物先物市場(AFET)の合併が七月にも完了し、九月までに売買を開始できる見通しにあることを明らかにした。合併案ではAFETがTFEXに編入する形になるもようで、TFEXの1ユニットの位置づけ。TFEXはすべてのデリバティブ商品を扱う単一の先物市場になる。TFEXはこれまでも農産物を除くすべての先物商品を上場対象にしてきた。AFETはTFEXよりも前に発足しているが、経営は赤字が続いていた。
 サーティット理事長は、今後TFEXがあらゆるデリバティブの売買、クリアリング、決済、保管サービスを一括で引き受けることになると述べている。デリバティブ取引が一つのプラットフォームの下に集約されることは、投資家により大きな利便性を提供するだけでなく、効率の向上で営業費用も低減されると指摘。合併は世界的な傾向にも合致するとしている。合併によってタイの先物市場の国際化も容易になり、グローバルなネットワークと結び付けられるようになると述べている。
 ウォラポン・ソーカティヤヌラック証券取引等監視委員会(SEC)事務局長は、TFEXとAFETの合併は商品を多様化し、また市場監督の効率も向上すると指摘。先物市場にとって重要なステップになり、タイの資本市場の競争力は増すと述べている。
 政府は一七日に開いた閣議で、農産物先物売買法を廃止する法令案を原則認可している。AFETと同事務局を廃止するとした内容で、事務局や同市場の職員はSEC事務局またはAFETに転籍する。AFETのブローカーは、TFEXから免許を取得することになるが、TFEXのブローカーは少なくとも1億バーツの資本金が必要。AFETのブローカーは資本金2500~5000万バーツで資格が取れたため、資本金の不足するブローカーは増資が必要になってくる。
 TFEXのリンチャイ・チャコーンピパット所長によれば、AFETの8社あるブローカーのうち6社がTFEXの会員になるための準備を進めている。TFEXは、AFETに上場していた商品をTFEXに上場させるが、初期の段階では、天然ゴムなどの売買が活発な商品に焦点を合わせることにしている。AFETにはコメやタピオカも上場しているが、政府の市場介入で市場メカニズムが十全には機能していないこともあり、売買はほとんどない状態が続いている。最近はゴムの相場が下落していることもあり、市場全体が低迷している。チャイパット・サハサクンAFET理事長によれば、最近のAFETの1日あたりの出来高は150~200件程度にとどまっていた。



日付 : 2015年03月23日

By : 週刊タイ経済

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