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エコカー2プロジェクト プラユット首相が見直しに言及

 プラユット首相は三月二三日、エコカー2プロジェクトについて、前政権の初めての新車購入奨励政策の反動で販売台数の減少に苦しむ自動車業界にマイナスの影響を及ぼす恐れもあるとし、慎重な検討が必要だとの認識を示した。エコカー2プロジェクトは前政権が導入したもので、最初のエコカーよりも厳しい燃費基準のクリアを条件に、投資委員会(BOI)が投資優遇を付与するとともに財務省が物品税率の低減でも支援するプロジェクト。

 ホンダ・オートモービル(タイランド)社のピタック・プリティサーリコン最高業務責任者(COO)は、エコカーだけでなく、すべての車種で供給が過剰になっていることを懸念しているとして、エコカー2プロジェクトの見直し議論を支持する考えを示している。ピタック氏は、エコカー計画は実のところ、すべての自動車メーカーを支援するわけではないと述べている。タイの自動車工業は、1トン・ピックアップ・トラック、乗用車、エコカーを含むすべてのセグメントで生産能力を増強してきたが、国内市場と輸出市場の需要は予期されたようには成長していないのが現状。供給能力が過剰な状況下で、自動車各社にはエコカー2の生産ラインの開発に直ちに着手する計画はない。ピタック氏は、タイ国内の自動車メーカーは、初めての新車政策による需要の先食い、バーツ高、世界経済の低迷など多くのマイナス要因に直面していると述べている。

 マツダ・セールス(タイランド)社の武居秀介社長は、ハイブリッド車や電気自動車(EV)などのハイテク自動車も促進すべきだと述べている。エコカー2計画では、1㎞走行あたりの二酸化炭素排出量を100グラム未満に抑え、欧州排ガス規制のユーロ5標準を満たすことを要件としているが、そうした車種はすでに世界中で多く入手可能な状況にあり、特別なものではないとしている。マツダはエコカー2プロジェクトでBOIの投資奨励認可を得ているが、武居社長は、「エコカー計画についての首相の意見に同意する。自動車工業の未来のトレンドはEVだ」と語っている。

 三菱自動車タイランドの一寸木守一社長兼CEOは、小型乗用車は多くの国が生産しており、タイのエコカーが1トン・ピックアップ・トラックのような成功を収めることはありそうにないと述べている。三菱自動車もエコカー2プロジェクトには参加し、投資奨励の認可を得ている。三菱自にとってタイは唯一のエコカー生産拠点だが、エコカー2プロジェクトに関する政府の今後の政策には順応する用意ができているとしている。


日付 : 2015年03月30日

By : 週刊タイ経済

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