ユーザー名 パスワード
クイック検索
キーワード

4月の工業信頼感指数 直近の7か月で最低水準に

 タイ工業連盟(FTI)が五月二五日に発表した四月のタイ工業部門信頼感指数(TISI)は86・2ポイントとなり、三月の87・7ポイントから下落した。指数の前月比での下落は4か月連続となるもので、受注、売上高、生産数量、コスト、業績の指標が低下している。また指数は中間値の100ポイントを依然として下回っている。四月の指数は直近の7か月間で最低となった。

 スパン・モンコンスティFTI会長によれば、タイ経済の減速と旱魃問題に関する懸念が消費と農業セクターの支出に影響を及ぼしている。このため国内受注と国内販売の指数は5か月連続で減少している。そしてこれが特に中小企業の資金繰りに対するリスクになっている。また四月はソンクラーン連休のために事業所の営業日数が少なく、商品の搬送やロジスティック・システムに対して障害となった。いずれにしても近隣諸国との貿易・投資の拡大は、すべての工業部門にとってチャンスとなる。ポテンシャルを有する市場であるほか、将来のビジネス基盤を築く機会にもなると見ている。

 3か月先の信頼感指数は三月期の100・4ポイントから102・1ポイントへと上昇し、信頼感は上向いている。3か月先の信頼感指数が中間値の100ポイントを上回るのは2か月連続となった。受注、売上高、生産量、業績の指標が前月に比べて上昇している。

 信頼感指数を事業規模別に見ると、小規模企業、中規模企業、大規模企業の信頼感は軒並み低下した。小規模企業の四月の信頼感指数は79・4ポイントとなり、三月の81・7ポイントから低下した。受注、売上高、コスト、業績の指標が低下している。農機、ハーブ、家具などの業種で低下している。3か月先の信頼感は100・0ポイントで、三月の98・1ポイントから上昇した。受注、売上高、生産量、業績の指標が上昇している。

 中規模企業の四月の信頼感指数は84・2ポイントで、三月の85・5ポイントから低下した。受注、売上高、生産量、コスト、業績の指標が低下している。セメント、屋根材、製材などの業種で指数が下落している。3か月先の信頼感指数は101・4ポイントで前月の99・2ポイントを上回った。受注、売上高、生産量、業績の指標が上昇した。

 大規模企業の信頼感は96・0ポイントとなり、三月の97・0ポイントから低下した。受注、売上高、生産量、コスト、業績の指標が低下した。製糖、化学品、船舶修理、鉄鋼などの業種で信頼感が低下した。3か月先の信頼感指数は105・4ポイントで前月の104・1ポイントから上向いた。受注、売上高、生産量、コスト、業績の指標が上昇した。

 国内市場向け中心の工業(輸出比率50%未満)の信頼感指数は84・2ポイントで、三月の84・8ポイントから低下した。受注、売上高、生産数量、コスト、業績の指数が低下した。化粧品、花崗岩・大理石、ITなどの業種で下落した。3か月先の指数は102・2ポイントで、前月の99・6ポイントから上向いた。受注、売上高、生産数量、業績の指標が上昇した。

 輸出指向工業(輸出比率50%超)の信頼感指数は95・5ポイントで、三月の98・1ポイントから低下した。受注、売上高、生産数量、コスト、業績の指数が低下した。機械・鉄工、繊維、衣料などの業種で下落している。3か月先の指数は103・8ポイントで、前月の103・2ポイントから上向いた。受注、売上高、生産量、業績の指標が上昇している。


日付 : 2015年06月01日

By : 週刊タイ経済

登録