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神戸製鋼とミルコン・スチール 特殊線材生産の合弁事業で合意

 神戸製鋼は六月三日、SET上場企業のミルコン・スチール社との間で、線材の圧延及び販売を目的とするタイでの合弁会社の設立を共同で検討していくことに合意したと発表した。この日、神戸製鋼の後藤隆常務執行役員とミルコンのシティチャイ・リーサワットトラクンCEOが東京で基本合意書(MOU)に署名した。

 神戸製鋼は、ミルコンが昨年に買収したタイ・スペシャル・スチール・インダストリーの資産を保有するミルコン・スペシャル・スチールに出資する形での合弁会社の設立を目指す。出資比率、製造設備、投資額など合弁事業の枠組みについてはこれから協議・検討を行なう。

 タイの自動車生産台数は、二〇一四年実績で約188万台。二〇二〇年には300万台規模にまで拡大すると予想されている。また、インドネシアやマレーシアといったタイ以外のASEAN諸国でも、今後、自動車生産の堅調な拡大が見込まれている。それにともない線材需要も拡大が見込まれることから、神戸製鋼はタイでの合弁事業による線材の供給拠点設立を検討することにした。

 神戸製鋼はタイ、中国、米国、メキシコに線材の二次加工拠点を設けているが、海外に線材の製造拠点はなく、合弁会社が実現すれば、線材分野では唯一の海外製造拠点になり、東南アジア地域における線材の現地供給体制が整う。

 ミルコン側の発表によれば、神戸製鋼はミルコン・スペシャル・スチールに50%を出資する予定。神戸製鋼が注入する資金は生産設備の改良と運転資金に使う。自動車工業で使用される特殊線材はほぼ全量を輸入に頼っているのが現状で、自動車向け特殊線材の現地生産はASEAN地域では初めてになる。自動車向けの仕様を満たす特殊線材は高度な技術が必要で、ミルコンは技術力のある提携先を探していた。


日付 : 2015年06月08日

By : 週刊タイ経済

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