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8日朝の首都洪水 バンコク都知事に非難轟々

 六月八日未明に首都を襲った集中豪雨は、首都の排水能力を超える雨量を記録し、都内の各所で内水氾濫が発生し、都民の足に大きな影響を及ぼした。道路の氾濫のため交通網は麻痺し、数百万人の通勤・通学者が立ち往生した。ソーシャル・メディアなどでは、都庁の無能のせいだとする不満が続出し、先鋭的市民団体の地球温暖化防止協会は、国家平和秩序維持団(NCPO)団長命令によるスクムパン・パリパット都知事の解任を求める声明を発表している。都知事は八日、副知事を伴なってオランダに公務出張中だった。

 八日の首都大洪水は、同日深夜からの長時間に及ぶ降雨によるもので、夜明け前には雨足が速まり、バンナー・トラート通り、スクムウィット通り、アソーク・モントリー通り、ラマ4世通り、ラマ3世通り、ラーカバン通りなどのバンコクの複数の主要道路が冠水した。この日、一部の学校は休校を余儀なくされている。首都警察によれば、交通渋滞は道路に降った水の効果的な排水が遅れたことが原因で、都庁の下水道局に連絡をとったが、なす術がなかったと語っている。

 スクムパン都知事はオランダ視察旅行の予定を切り上げて急遽帰国した一〇日に開いた記者会見で、都庁の職員は最善を尽くしたと反論した。ソーシャル・メディアでの自身に対する批判については度を越えた個人攻撃だと不快感を示している。

 都知事は、バンコクの年間平均雨量が1000ミリリットル程度であるところ、八日朝には141ミリリットルを記録したことを指摘。突然の異常な豪雨に排水が間に合わないのは仕方がないと説明している。都知事は、今年三月二四日に首都で発生した大洪水の雨量が65ミリリットルだったことを明らかにし、この時には排水に3時間がかかったが、八日は三月と比べて2倍以上の雨量だったにもかかわらず、排水にかかった時間は4時間だったとしている。都庁がバンコクの洪水多発地帯の排水効率の改善に取り組み、リスク地帯の数を37か所から22か所まで減らした実績も披露し、努力は継続中だとした。スクムパン都知事は八日のような異常な豪雨にならない限り、バンコクの道路の水は1時間以内に引くと主張している。


日付 : 2015年06月15日

By : 週刊タイ経済

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