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タイ国トヨタ自動車 新型ピックアップの輸出開始

 トヨタは今年五月にタイで先行販売したピックアップトラックの新型「ハイラックスRevo」の輸出を開始した。これを祝して七月二日にはチョンブリ県レムチャバン港で記念式典を開いた。新型車はタイの新車市場が低迷する中でのスタートとなっていることから、輸出供給を強化することで生産を維持していく方針。

 ハイラックスは、トヨタのIMV(イノベーティブ・マルチパーパス・ビークル)プロジェクトの主力車種。タイからの新型車の最初の出荷分は南アフリカ向けとなっている。タイ国トヨタのウィチアン・エムプラサートスック副社長によれば、ピックアップ車のタイ国内市場の低迷に対処するため、今年のピックアップ車の輸出比率は昨年の50%から60%に高めることにしている。ウィチアン氏は、国内市場の収縮により生じた需給ギャップを埋めるために輸出を増やそうとしているのはトヨタだけでなく、タイ国内のすべての自動車メーカーが考えていると語っている。新型ハイラックスはサムロン工場とバンポー工場で組み立てる。年産能力は45万台。

 タイ国トヨタの今年第1四半期(一~三月)の輸出台数は10万7838台で、前年同期比17%増を記録している。同期のタイ全体の輸出台数は32万8232台で、トヨタはその3分の1を占めている。トヨタの輸出の主力はピックアップトラックで全体の8割以上になっている。二〇一四年のタイ国トヨタの輸出台数は42万5730台で、タイの自動車輸出全体の38%を占めた。今年の予想輸出台数は39万台、前年比8・4%減を見込んでいたが、これは新型ピックアップの導入を考慮したものではなく、実際の輸出台数は40万台超に上振れするものと期待している。

 新型車は11年ぶりのフルモデルチェンジで、これに合わせてモデルの名称も「ハイラックス・ヴィーゴ」から変更した。タイ国トヨタは七月二八日に上半期の業績を発表するのに合わせて、今年通年のタイ国内販売台数と輸出台数の目標も改定することにしている。タイ国トヨタの第1四半期のタイ国内販売台数は7万42台で、前年同期比16・8%減。内訳は乗用車が3万1398台、20・2%減、商用車が3万8644台、13・8%減。第1四半期のタイの新車市場は全体で19万7787台、前年同期比11・8%減となった。

 この日の式典には、プリディヤトーン・テワクン副首相とチャクラモン・パースックワニット工業相も出席した。最初に積み出されたハイラックスRevoは2700台。トヨタは同車種をタイから世界120か国・地域に供給する計画で、今年の同車種の輸出は18万6000台を想定している。主力市場はオーストラリア、ニュージーランド、中東、英国、南アメリカ。


日付 : 2015年07月06日

By : 週刊タイ経済

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