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15年新車市場は80万台 タイ国トヨタが中間報告

 タイ国トヨタ自動車は7月28日にホテル・オークラ・プレステージで開いた記者会見で、2015年の国内新車販売台数の予測を80万台に下方修正した。上半期(1~6月)の販売台数が前年同期比16・3%増の36万9108台にとどまっており、通年で80万台を超えることはないと予測した。世界経済の先行き不安などから家計と企業部門の双方が消費支出や投資に慎重になっていることが理由となっている。棚田社長は、自動車市場を押し上げ、経済を刺激するため、政府の予算執行の加速を期待している。

 棚田京一社長が明らかにしたところによれば、上半期の乗用車の販売台数は14万6862台で、前年同期比20・1%減となった。商用車は22万2247台で同19・1%減。うち1トンピックアップ車(PPVを含む)の販売台数は17万1601台で、19・1%減だった。PPVを除いたピックアップ車の販売台数は15万6247台で、同15・9%減だった。

 タイの新車市場で最大手のトヨタの上半期の販売台数は12万3125台で、前年同期比24・9%減、市場シェアは33・4%だった。一方、上半期のトヨタの完成車輸出台数は16万3403台。輸出額は767億2200万バーツで、前年同期比29%減となった。

 棚田社長は、下半期のタイの新車市場について、上半期に比べると上向くと予測している。景気浮揚に向けた政府の予算執行加速措置、自動車メーカー各社による新モデルの投入などが支援材料。ただし上半期の不振のため、通年で自動車市場が完全に回復することは予期しにくく、通年の販売台数はよくて80万台にとどまるとした。年初時点における予測では92万台を見込んでいた。最新予測の内訳は、乗用車が30万4400台、商用車が49万5600台。商用車のうち1トン・ピックアップ車(PPV含む)は39万3100台で、PPVを除いたピックアップ車は35万800台と見積もった。トヨタ自身は通年で28万台の販売を見込んでいる。年初時点では33万台を見込んでいたが、上半期実績と下半期の展望の悪化により下方修正した。内訳は乗用車が10万5700台、商用車が17万4300台。商用車のうち1トン・ピックアップ車(PPV含む)は16万4200台で、PPVを除いたピックアップ車は13万8100台。棚田社長はタイの新車市場が年間100万台の大台を回復するのは2018年になると見ている。

 棚田社長は、トヨタが不振の国内市場を穴埋めすべく、タイ製造拠点からの輸出を強化する方針を伝えている。通年の完成車の輸出目標は39万台、輸出額にして1923億バーツ。OEM部品の輸出額は661億7000万バーツを見込んでおり、合計輸出額は2584億7000万バーツと予想している。トヨタは輸出の梃子入れを目的にピックアップ・トラックの新型「ハイラックスREVO」を投入したが、世界経済の先行きについて懸念している。ハイラックスREVOは年内に18万6000台の輸出を計画している。


日付 : 2015年08月10日

By : 週刊タイ経済

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