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国境経済特区の日系企業の関心 カンチャナブリが最多

 アーコム・トゥームピタヤーパイシット運輸副大臣兼国家経済社会開発委員会(NESDB)事務局長によると、国境地域に開発する特別経済開発区(SEZ)の第2フェーズで計画されているカンチャナブリ県のSEZに対し、タイに拠点を有する日本企業が投資に関心を示している。カンチャナブリ県はミャンマーと国境を接しており、ダウェーに開発される深海港とSEZとも陸路で結ばれることになっている。

 バンコク日本人商工会議所(JCC)経済調査会がこのほど発表した「2015年上期タイ国日系企業景気動向調査」では、国境経済特区についての設問も設けられており、タイ政府の国境経済特区構想への日系企業の関心も調査されている。それによれば、「工場等の立地候補地として関心がある」は回答企業の4%、「物流・インフラ事業など経済特区設置に追随したビジネスに関心がある」が14%となった。ただし「関心がない」が56%を占め、また「詳細内容がわからない」との回答も29%を占めた。一方で、関心がある国境経済特区(複数回答)では、「カンチャナブリ」が59%と最も多かった。次いで「サケーオ」(42)%、「ムクダハン」(25%)などとなった。

 工場等の立地候補地として国境経済特区に関心があるとした理由(複数回答)については、「法人税減免などの投資恩典内容が充実」が44%と最も多かった。次いで「周辺国マーケットに近い」(31%)、「労働力の確保が容易」(25%)、「労働力コストの削減が見込める」(25%)などとなった。国境経済特区への投資に必要な条件(複数回答)については、「BOIの投資恩典対象業種の拡大」が32%と最も多かった。次いで「経済特区とバンコク圏・レムチャバン港間の交通インフラの整備・拡充」(29%)、「十分な労働力の確保」(28%)、「法人税減免などの投資恩典の拡充」(27%)などとなった。また製造業では「工業団地の整備」(30%)、非製造業では「取引先の進出」(29%)なども多かった。

 アーコム氏は、ダウェーのSEZが重工業に適する一方、カンチャナブリのSEZは予備部品、自動車部品、エレクトロニクス、アグロインダストリーなどに適したものになるのではないかと述べた。アーコム氏は、ノンタブリ県バンヤイとカンチャナブリを結ぶ全長96㌔㍍のモーターウェイの建設が来年にも始まることを明らかにしている。総工費は556億2000万バーツ。

 国境経済特区は、最初のフェーズでターク県メーソート、サケーオ県アランヤプラテート、ソンクラー県サダオ、ムクダハン、ノンカイの6県に開発されることになっている。一方、ダウェー開発に関しては、タイ、ミャンマー、日本の3国からなる合同ハイレベル委員会の会合が開かれている。


日付 : 2015年08月17日

By : 週刊タイ経済

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