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固定資産税法案の起草終了 商工業用地は法定上限1%、宅地0.3% 財務省、近く閣議提出へ

 財務省は固定資産税法案(土地・建物税法)の見直し作業を終え、8日までにアピサック・タンティウォラウォン財務相による検討を済ませ、内閣への提出準備を整えた。農地、宅地、商工業用地、遊休地の4種類に分け、それぞれの税率を定める。法令案が閣議承認され、国家立法議会を通過して成立すれば、2017年1月1日より徴税を開始する方針だ。

 固定資産税はアピシット政権が取り組んだものの、議会審議の途中で下院を解散したため、廃案になっていた。その後を継いだインラック政権は放置したが、プラユット政府は同税の導入実現について施政方針でも言及している。新税の法案はソムマイ前財務相が精力的に取り組んでいたもので、8月の内閣改造で刷新された経済チームの下、草案の見直し作業が進められていた。

 財務省筋が明らかにしたところによれば、法令では税率の法定上限を決め、実際に徴収する税率は勅令によって定める。法定上限は、農地が評価額の0・2%、宅地が0・3%、商工業用地が1%、遊休地が3%。実際の運用にあたっては、農地は評価額が200万バーツ以下であれば税率を0・01%に抑える方針で、納税額は年間で最大200バーツにとどまる。評価額が1億バーツを超える場合には0・1%を課税する。宅地は評価額が200万バーツ以下の場合、0・03%を徴収する。年間の納税額は最大で600バーツとなる。評価額1億バーツ超では0・2%を徴収する。商工業用地は評価額が200万バーツ以下の場合、0・1%を徴収する方針で、納税額は最大で2000バーツ。1億バーツ超では0・6%の税率とする。

 宅地に関しては、長年居住している間に周囲の開発で地価が高騰しているケースもあるため、徴税開始から3年間は納税額を実際の税額の半分にする特別措置を設ける方針。15年以上、居住していることを条件にする考え。一方、遊休地は1~3年目は1%、4~6年目は2%、7年目以降は3%とする。保有する土地を利用せずに放置し続ければ、税負担が増えていく仕組みで、土地の流動化を促すことが狙い。

 財務当局は、新税の導入から最初の3年間は、影響軽減措置もあり税収は820億バーツにとどまると見積もっているが、4年目以降は年間970億バーツの税収を見込んでいる。


日付 : 2015年10月12日

By : 週刊タイ経済

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