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大規模運輸インフラ整備計画 来年初めまでに具体化 20件に拡充

 プラユット政府は、景気浮揚の切り札として運輸インフラ開発を加速させる。アーコム・トゥームピタヤーパイシット運輸相によれば、これまで19件とされてきた大規模事業計画(メガ・プロジェクト)は、国鉄複線化の1事業を追加して20件に拡充。16年初めには具体化できるよう各プロジェクトの作業計画の策定を急ぐ。アーコム大臣によれば、詳細計画は16日までに運輸省に上がっており、20件全てのインフラ計画推進の行動計画は27日に開かれる定例閣議に報告する。

 アーコム運輸相は14日に開いたメガプロジェクトに関するワークショップで、都市間特別国道(モーターウェイ)のバンパイン~ナコンラチャシマ区間、総工費846億バーツとバンヤイ~カンチャナブリ区間、総工費556億バーツの計画の見直しを命じたことを明らかにしている。バンパイン~ナコンラチャシマ区間は、当初案が溢水の流れを妨げたり、既存の集落に影響を及ぼすことが判明したため、環境アセスメント(EIA)を一部でやり直す必要が出ている。またバンヤイ~カンチャナブリ区間は、予定しているルートの地域情勢が計画立案時の98年から様変わりしているため、EIAを全面的にやり直す。バンパイン~ナコンラチャシマ区間は微調整にとどまるため、先行して早ければ今年末にも入札を実施する。全面的な見直しが必要なバンヤイ~カンチャナブリ区間の入札実施は早くても来年5、6月頃になりそう。一方、パタヤ~ラヨン区間はすでに入札プロセスが開始されている。

 20件のメガプロジェクトは、メートル軌の国鉄在来線の複線化事業が5件、スワナプーム空港開発第2フェーズ、電車プロジェクトが5件、モーターウェイが3件、標準軌複線鉄道新線が4件、レムチャバン港A埠頭開発、レムチャバン港での鉄道輸送コンテナ基地開発で構成されている。

 標準軌複線鉄道新線はバンコク~ノンカイ、ゲンコイ~マプタプット区間を中速鉄道として中国と共同開発し、バンコク~ピッサヌローク~チェンマイ区間は高速鉄道として日本と共同開発することになっている。ソムキット・チャトゥシーピタック副首相は、カンチャナブリとラヨンを結ぶ中速鉄道についても日本との共同開発を望んでいることを明らかにしており、10月終わり頃に予定している日本訪問で、日本の運輸当局との交渉の準備を進めている。ソムキット氏は同区間に次いで、メーソートとムクダハンを結ぶ鉄道新線のタイ日共同開発も視野に入れている。総延長は815㌔㍍で、メーソート~ピッサヌローク区間とピッサヌローク~コンケン~ムクダハン区間に分けて開発する構想。日本側は実現可能性の調査を進めている最中で、調査は1年を要する見通し。

【大規模運輸インフラ事業計画】
・国鉄在来線複線化
1.ヂラ分岐~コンケン間            260億 600万B
2.マプカバオ~ヂラ分岐間           298億5300万B
3.ナコンパトム~フアヒン間          200億3600万B
4.プラチュアップキリカン~チュムポン間    172億9000万B
5.ロッブリ~パクナムポー間          249億1874万B
・空運
6.スワナプーム空港開発第2フェーズ      494億7600万B
・電車プロジェクト
7.オレンジライン(文化センター~ミンブリ)  1101億1600万B
8.ピンクライン(ケーライ~ミンブリ)     566億9000万B
9.イエローライン(ラートプラオ~サムロン)  546億4400万B
10.レッドライン(バンスー~フアマーク,
       バンスー~フアラムポーン)  441億5700万B
11.パープルライン(タオプーン~ラートブラナ) 1310億300万B
・都市間特別国道
12.パタヤ~マプタプット  202億B
13.バンパイン~ナコンラチャシマ  846億B
14.バンヤイ~カンチャナブリ  556億2000万B
・標準軌複線鉄道新線
15.バンコク~ノンカイ、
ゲンコイ~マプタプット  3691億4800万B
16.バンコク~チェンマイ  4494億7300万B
17.バンコク~フアヒン  946億7300万B
18.バンコク~ラヨン  1557億7400万B
・水運
19.レムチャバン港A埠頭開発  18億6400万B
20.レムチャバン港国鉄貨物コンテナ基地  20億3100万B


日付 : 2015年10月19日

By : 週刊タイ経済

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