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第3四半期GDP 成長率2.9%増に加速 前四半期比は1.0%増 景気「着実に回復」

 国家経済社会開発委員会(NESDB)事務局が16日に発表した国内総生産(GDP)統計によれば、2015年第3四半期(7~9月)にGDP成長率(前年同期比増減率)は2・9%増となり、第2四半期の2・8%増から僅かながら加速した。非農林水産業が3・4%増となった一方、農林水産業は5・7%収縮した。季節調整済みの前四半期比では1・0%増となり、前の四半期の同0・3%増から加速した。ポラメーティ・ウィモンシリ事務局長は、景気は緩やかながらも着実に回復に向かっているとしている。

 第3四半期の名目GDPは3兆3112億バーツ。生産要素からの報酬として海外に支払った正味2369億バーツを差し引いた国民総生産(GNP)は3兆743億バーツとなった。物価動向に関しては、GDPデフレターは0・5%減で、前の四半期の0・8%減に引き続き収縮した。生産者物価指数と一般消費者物価指数は引き続き低下し、それぞれ3・7%減、1・1%減となった。

 支出面では民間消費支出が前年同期比1・7%増となり、前の四半期の1・6%増を上回った。消費者の信頼感は低い水準にとどまっているものの、石油価格をはじめ物価の下落により消費支出は総じて拡大している。特にサービスの支出が伸びているが、半耐久財と非耐久財の消費は鈍化し、耐久財消費は引き続き収縮した。政府消費支出は1・0%増。

 総固定資本形成(投資)は1・2%減。政府投資支出は15・9%増と引き続き高い伸びを記録しているが、前の四半期の24・7%増に比べると伸び率は鈍化した。また民間投資は6・6%減少した。設備投資と建設投資の双方で収縮している。

 対外セクターでは名目の物品・サービス貿易収支は3989億バーツの黒字で、貿易収支が3400億バーツの黒字、サービス収支が589億バーツの黒字。物品輸出は収縮しているものの、輸入の収縮幅が上回ったことで貿易収支の黒字幅は拡大した。この結果、純輸出の経済成長への寄与度は上昇している。この四半期の物品・サービス輸出数量は1・8%増となった一方、物品・サービス輸入数量は2・4%減だった。


日付 : 2015年11月23日

By : 週刊タイ経済

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