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タイと日本 鉄道開発で覚書署名へ カンチャナブリ~サケーオ間

 日タイ両国政府は、カンチャナブリ国境のバーンプナムローンからサケーオ県アランヤプラテートを結ぶ複線鉄道開発で覚書に署名する。チャートチャイ・ティップスナウィ運輸次官が16日に明らかにした。ソムキット・チャトゥシーピタック副首相が今月25~28日に日本を訪問する際に署名式が予定されている。

 新たに開発する新線の総延長は547㌔㍍。カンチャナブリ国境ではミャンマーのダウェー深海港とバーンプナムローンを結ぶ鉄道の建設も構想されている。またメートル軌の在来線も改良し、カンチャナブリとチョンブリ県レムチャバン、さらにはカンボジア国境のサケーオまでの交通を良くする。カンチャナブリ~アランヤプラテート間は南部経済回廊の一部を成すもので、アランヤプラテートからはシアヌークビル、ホーチミン市を経てベトナムのブンタウ港までつながる。

 タイと日本は、鉄道運行においても共同で投資計画をまとめる。

 チャートチャイ次官によれば、ソムキット副首相の訪日団は、他の2つの鉄道プロジェクトでも共同投資について協議する。バンコクとチェンマイを結ぶ総延長715㌔㍍の高速鉄道とターク県メーソートのミャンマー国境からムクダハン県のラオス国境を結ぶ総延長718㌔㍍の新線。ターク~ムクダハン間は東西経済回廊の一部を成すもので、メーソート郡からスコータイ、ピッサヌローク、コーンケン、カラシンを経てタイ・ラオス第2友好橋のあるムクダハンを結ぶ。専門家が軌道幅をメートル軌とするか標準軌とするかを調査している段階。バンコク~チェンマイの高速鉄道はルートの調査を実施中で、来年6月にも承認見通しとなっている。

 ドン・プラムットウィナイ外相によれば、ソムキット副首相は安倍晋三首相とも会談する予定。一方、副首相の訪日ミッションに随行するアチャカー・シーブンルアン工業相は15日の談話で、ブリヂストン、デンソー、三菱自動車などの日本企業の経営トップと会談し、タイへの投資、特に研究開発(R&D)分野での投資を呼びかける方針を明らかにした。スーパークラスター形態での投資優遇策について詳説することにしている。

 クラスター形態での特別投資優遇は9月に導入方針を決定済みで、自動車・同部品、石油化学・化学、食品加工、ファッション、電機・電子、デジタルの6つのクラスターの形成を予定している。バリュー・チェーンを強化し、既存の事業者や新規事業者の投資を引き付けることでタイの投資分野のポテンシャルの底上げを狙う。中でも自動車・同部品、電機・電子、石油化学・環境にやさしい化学品、デジタルは高度技術を必要とし、将来性も高いことから「スーパークラスター」に位置づけた。

 ウドム・ウォンウィワットチャイ工業省副次官は、ロボット工学と航空産業の2つのクラスターを新たに追加する方向で、内閣に提案すると語っている。


日付 : 2015年11月23日

By : 週刊タイ経済

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