ユーザー名 パスワード
クイック検索
キーワード

日本の出資契約 署名へ ダウェーのSEZ開発 特別目的会社に1/3

 タイ、ミャンマーと日本政府は14日にも、ダウェー特別経済区開発プロジェクト開発のための特別目的会社(SPV)であるダウェーSEZデベロップメント社への日本の出資に関する株主間契約書に署名する。タイ政府は8日に開いた閣議で日本の出資を了承した。現在、同SPVはタイ政府とミャンマー政府が50%ずつを保有しているが、日本は3分の1を出資する。各国の出資金の上限は1億バーツ。日本の出資は国際協力機構(JICA)、国際協力銀行(JBIC)を通じたものになる。

 日本のダウェー・プロジェクトへの参加は、今年2月のプラユット首相の訪日時の首脳会談で合意し、ミャンマーを加えた3か国が合意覚書を交わしている。サンサーン・ケーオガムヌート政府報道官は、11月下旬のソムキット・チャトゥシーピタック副首相の日本訪問に言及、ダウェーSEZへの日本の出資プロセスの推進につながったと述べている。

 ダウェー特別経済区の総面積は196平方㌔㍍で、ミャンマー、タイ、カンボジア、ベトナムを結ぶ南部経済回廊の西側の出発点になっている。ダウェーの深海港は、陸路でレムチャバン港やベトナムのブンタウ港(バリア・ブンタウ省)、クイニョン港(ビンディン省)とつながるため、東南アジア地域ならびにインド洋と東アジアを結ぶ物流地図を大きく塗り替えるものとして期待が大きい。またダウェー開発は、タイ政府の近隣国への開発協力の次元でも重要性の極めて高いプロジェクトとなっている。

 ダウェー開発は第1フェーズで、総面積27平方㌔㍍の工業団地、ダウェーとカンチャナブリを結ぶ総延長138㌔㍍の2車線の舗装道路、街区、小規模港湾とLNGタンクターミナル、発電所、小規模貯水池、基本通信インフラが開発される。ダウェーとカンチャナブリを結ぶ道路に関しては、タイ政府が独立行政法人近隣諸国経済開発協力機構が借款を供与することが決まっている。

 一方、タイと日本は南部経済回廊に沿ってカンチャナブリからアランヤプラテートまでを結ぶ複線鉄道の共同開発でも合意している。メートル軌で、プナムローン~カンチャナブリ~バンコク~レムチャバン~アランヤプラテート区間の鉄道を整備するもので、ソムキット副首相の日本訪問時に運輸省と日本の国土交通省が協力覚書(MOC)に署名した。タイ国鉄の在来線を補修して、より高速での走行を可能にし、複線化して、カンチャナブリ県のノーンプラドゥック駅を分岐としてプナムローンに向かう支線を開発する。


日付 : 2015年12月14日

By : 週刊タイ経済

登録