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商用車生産強化を提案 FTI 関連工業の育成期待 自動車のスーパークラスター

 タイ工業連盟(FTI)は、政府が進めようとしているクラスター形態での投資奨励策で、大型トラックとバスなどの商用車の生産を強化し、自動車工業の新たなプロダクト・チャンピオン(奨励車種)に指定するよう提案している。自動車のスーパークラスター開発の委員を務めるFTI自動車部会のスラポン・パイシットパタナポン・スポークスマンが22日の会見で明らかにした。タイの自動車工業は、1トン・ピックアップ車では世界2位の生産拠点になっているほか、第2のプロダクト・チャンピオンとして奨励したエコカーの生産・輸出でも存在感が増している。商用車を第3の戦略車種とすることで、国内部品の調達率が向上し、特殊車両の製造その他の関連工業の育成にもつながると見ている。

 FTI自動車部会は、商用車生産の奨励と並行して、生コン車、低温輸送車などの特殊車両の生産についてもクラスターの対象にするよう求めている。スラポン氏は、商用車の生産ハブを目指すことで、自動車工業のバリューチェーンの一層の拡大、雇用の拡大が見込まれるほか、インフラ開発が急ピッチで進む近隣のCLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)向けの大型商用車の輸出増、国内の物流網の強化や域内観光の支援にもつながるとしている。

 クラスター形態の投資奨励は、バリューチェーンの強化、将来の工業の基礎作り、国の投資分野の競争力向上、従来及び新たな投資家からの価値ある投資の誘致、繁栄の地方分散、中小企業の育成を目的としている。投資委員会(BOI)が10月27日付けで公示したクラスター形態での特別経済開発区における投資奨励政策についての布告第10/2558号によれば、自動車・同部品工業はスーパークラスターに位置づけられており、アユタヤ県、パトゥムタニ県、チョンブリ県、ラヨン県、チャチュンサオ県、プラチンブリ県、ナコンラチャシマ県が指定されている。これらの県を事業地とする投資プロジェクトは、教育機関、研究機関、またはエクセレンスセンターと連携し、人材開発または技術開発に協力するなど、タイの自動車工業の競争力の強化に貢献することを前提に、最大限の投資優遇が受けられる。

 ヒランヤー・スチナイBOI事務局長によれば、自動車部品の生産でも、すべての事業がすべての投資優遇を享受できるわけではない。対象業種は8年間にわたる金額上限なしの法人所得税の免除に加え、その後5年間にわたって法人所得税が50%免除される。


日付 : 2015年12月28日

By : 週刊タイ経済

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