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工業団地の水不足対策 地下水利用で調査開始

 タイ工業団地公団(IEAT)のウィラポン・チャイプーム総裁は、今年の旱魃の影響が予期される工業地帯として北部工業団地のあるラムプーン県とアユタヤ県を挙げている。水不足が予想されるため地下水の汲み上げに向けた準備を進める方針で、IEATは地下水の調査と汲み上げ設備の設置での協力で地下水資源局と合意覚書を取り交わした。水が不足する時期に工業団地に地下水を供給する。

 最初のプロジェクトはラムプーン県で実施予定で、すでに専門家を調査派遣している。調査には30日が必要。ウィラポン総裁によれば、同県の北部工業団地は1日あたり1万7000立米の水を消費する。地下水は少なくとも1日あたり5000立米が供給可能と見ている。IEATは1日あたり1万立米の水を再利用することも計画している。同総裁は、プロジェクトが良い結果をもたらせば、工業団地の恒久的な水源として地下水を使うことを検討したいと述べている。

 スポット・チャームサワディポン地下水資源局長は、1か所あたり100万バーツの費用で20か所の井戸を掘る必要があるが、日量5000立米の地下水を汲み上げることは可能としている。

 アチャカー・シーブンルアン工業相も水の状況を心配しており、IEATに干害状況を密接にフォローするよう指示している。特に北部工業団地の水源であるメーガット・ダムは、すでに貯水量が貯水能力の20%程度まで細っており、次の雨季が来るまでは到底持たないのが実情で、水源の確保は待ったなしの情勢となっている。IEATは北部工業団地に入居する84社に対し、水の再利用を増やすよう呼びかけている。ウィラポン総裁は、地下水利用とリサイクルの2つの対策でも水が不足する場合に備え、民間から40万立米の水を買い取る計画も用意していることを明らかにしている。上記の2措置と合わせて200日分の水は確保できる計算で、水枯れの危機は脱することができるとしている。

 ウィラポン総裁は、北部工業団地のほかに、水の状況を特別に監視する必要がある工業団地としてアユタヤ県のバンパイン工業団地、ハイテック工業団地、サハラタナナコン工業団地を挙げている。これら工業団地は、チャオプラヤ川から取水しているが、プミポン、シリキット両ダムの水量不足で、流量が減少することが理由。ただしこれら工業団地では地下水の利用も進んでいるため、危機は未然に防ぐことができると見ている。

 一方、東部、特にラヨンの工業団地については水の状況を心配していない。昨年の雨季に十分な水を貯水池に確保できているためで、また東部水源開発会社(イースト・ウォーター)も水源の確保を含めた対策案を用意している。


日付 : 2016年01月11日

By : 週刊タイ経済

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