ユーザー名 パスワード
クイック検索
キーワード

仏カジノグループ ビッグC株放出へ セントラル、イオンが関心示す

 ビッグCスーパーセンター社の筆頭株主であるフランスのカジノ・グループが保有する株式を放出すると表明した。すでにセントラル・グループやイオンが関心を示している。カジノ・グループは58・6%を保有しており、時価総額は約26億㌦に達する。

 カジノ・グループは昨年12月15日に有利子負債を圧縮するためのリストラ計画を発表しており、海外事業の一部を売却するとしていたが、この時にはタイ事業の売却は否定していた。同グループは今月14日の声明で、ベトナム事業の売却交渉が進展中で、またタイ事業についても買い取りに関心を示しているグループがあることを明らかにした。ビッグCの経営幹部は、カジノ・グループの撤退の可能性を認めているが、株主構成の変化が自社の経営計画には影響しないとしている。

 外資系大手量販店では2010年に「カルフール」がタイから撤退。セントラル・グループはこの時にも名乗りを挙げていたが、ビッグCに競り負けた。ビッグCは10年に約12億㌦でカルフールのタイ国内店舗42店を買い取り、11年にビッグCに改装した。

 ビッグCは元々、セントラル・グループが手がけた量販店で、1号店は93年にラートブラナ地区に開業した。しかし97年のバーツ危機で本体の財務が悪化したことで、多店舗展開をする前に放出を余儀なくされた。ビッグCをカジノ・グループに売ったのはセントラル・グループ。

 セントラル・グループは、コンビニ、スーパー、百貨店、ショッピングセンター(SC)やスポーツ用品店、家電量販店などをチェーン展開しているが、ディスカウントストアは手がけていない。ビッグCは、テスコ・ロータスに次いで国内2位。タイ証券取引所(SET)にも上場しており、時価総額は1630億バーツを数える。

 日本のイオン・グループはシラチャーにコミュニティモールを開業し、バンコク都内でも大型のSC開発を計画していることを表明している。チェーン展開を加速させる方針で、M&Aもタイ事業拡張の選択肢の一つとしていた。

 外電によると、カジノ・グループはレバレッジ(負債)が危険な水準にまで膨らんでおり、負債の圧縮が最優先の経営課題になっている。ベトナム事業も売却の対象で、タイのTCCグループのベルリ・ジュッカー社(BJC)が関心を示している。BJCはカルフールの身売りの際にも名乗りを挙げていた。BJCは14年半ばにベトナムのファミリーマートを買収して、「Bズ・マート」の名称で小売チェーンを経営しているほか、ドイツのメトロからベトナム事業を買い取っている。

 国内の小売資本では、CPグループがキャッシュ&キャリーの量販店、サイアム・マクロを買収している。

 15日のタイ株式市場ではビッグC株は急騰し、終値は226バーツ、前営業日比14・43%上昇している。仮にこの価格でカジノが保有する4億8345万株を買い取るとした場合の買収費用は1090億バーツに達することになる。


日付 : 2016年01月18日

By : 週刊タイ経済

登録