ユーザー名 パスワード
クイック検索
キーワード

小型コンテナを導入 国鉄 貨物輸送効率化へ JR貨物が提供

 タイの運輸省と日本の国土交通省は5日、タイ国鉄(SRT)の貨物輸送事業にJR貨物の小型コンテナを導入し、実証実験を開始した。実験はタイの中部ラチャブリ県ノーンプラードゥック駅と首都バンコクの間で行われた。日タイ両政府は昨年、鉄道整備協力の覚書を締結。将来的には日系企業の工場が多く進出する南部経済回廊で活用してASEAN地域の発展につなげたい狙いだ。 

 タイ運輸省によると、タイに初めて導入された日本の12フィート(約3・6メートル)小型コンテナは、経済規模が小さい地域や中小企業のコスト削減につながるとともに、少量の複数品目をコンテナごとに分けて輸送することが可能になる。タイはトラック輸送が主流だが、鉄道事業を活性化させることで都市部や港湾付近での交通渋滞の緩和、物流費の削減、雇用の創出を図る。タイで現在、使用されているコンテナは20フィートと40フィートの2タイプ。

 国土交通省鉄道局の志村務次長は5日の式典で「日本の先進的な技術を活用して、輸送時間の短縮、定刻運行、安全性をもって、タイの鉄道貨物事業に貢献していきたい」と話した。試験運用開始式ではアーコム・トゥームピタヤーパイシット運輸大臣、オムシン・チーワプルック運輸副大臣、タイ国鉄(SRT)のウティチャート・ガラヤナミット総裁のほか、約300人の事業関係者、報道関係者が集まり、日タイの貨物鉄道輸送開発協力の具体化を祝った。

 タイ政府は昨年、日本政府との間に鉄道分野で3つの協力覚書を締結し、幅広い協力を進めている。南部経済回廊路線の開発もそのひとつで、JICAは、同回廊における鉄道施設および貨物輸送事業の整備・改良に関する調査を昨年11月から開始している。コンテナを所有するJR貨物と、南部経済回廊に沿って工業団地を造成する豊田通商は、小型コンテナによる貨物輸送で本格的な事業化を目指す。

 日タイ両政府は南部経済回廊で、バンコク、工業集積地帯である東部臨海地帯とミャンマーのダウェー深海港を結ぶ貨物輸送インフラの整備と、バンコク~チェンマイ間に日本の新幹線技術を活用した高速鉄道事業の導入で協力することに合意している。

 なおノーンプラドゥック駅はカンチャナブリ方面に向かう旧泰緬鉄道が分岐する駅。


日付 : 2016年02月08日

By : 週刊タイ経済

登録