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今年の電機・電子工業 投資加速を期待 クラスター政策で

 投資委員会(BOI)事務局のアチャリン・パタナパンチャイ次長はこのほど、16年の電機・電子工業の投資動向について、世界のリーディング・カンパニーの投資が続くと期待していることを明らかにした。すでにタイ国内に生産拠点を持つ世界的企業による拡張投資に加え、新規の進出も期待できると見ている。新投資奨励政策と高度技術を使用し、イノベーションを生み出す工業や未来産業への投資を誘致するクラスター政策が実を結ぶと考えている。

 タイ政府は投資誘致のため、ハイテクを駆使した事業、未来産業を対象とする「スーパー・クラスター」を設けており、電機・電子は指定業種となっている。対象エリアは、アユタヤ、パトゥムタニ、ラヨン、チャチュンサオ、プラチンブリ、ナコンラチャシマの7県。対象事業はマイクロエレクトロニクス・デザイン、組み込みシステム(Embedded System)デザインなどのエレクトロニクス関連のデザイン、有機エレクトロニクス(OPE)、通信機器、医療機器/輸送機械/産業用電子部品、ハードディスク・ドライブ(HDD)、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)の製造、ウエハーや薄膜技術を用いた材料またはシートなどのマイクロエレクトロニクス用の素材の製造、モノのインターネットなど。

 BOIは、8年間の法人所得税免除とさらに5年間50%の法人所得税減額、機械の輸入関税免除の特典を付与する。

 BOIは昨年、電機・電子工業の投資プロジェクト319件を認可している。合計投資額は1168億8500万バーツ。アチャリン女史によれば、このうち政府のデジタル・エコノミー政策に合致するプロジェクトは173件、13億6700万バーツ、通信信号送受信機器の製造が8件、170億1700万バーツ、クラウド・サービスが2件、5億2000万バーツを数えた。

 このほかにスマートフォンの基幹部品の製造ではNMB・ミネベア・タイ社のライティング・デバイス・同部品製造、39億6000万バーツが認可を受けた。フジクラ・エレクトロニクス(タイランド)はフレキシブル基板アッセンブリ(FPCA)製造事業、29億7200万バーツが認可を受けた。ソニー・テクノロジー(タイランド)社はスマートフォンの製造で認可を得た。投資額は22億バーツ。ソニーのスマホ事業にとって初の海外移転となる。また三菱電機コンシューマー・プロダクツ(タイランド)社のエアコン製造、107億バーツも認可を得た。


日付 : 2016年02月15日

By : 週刊タイ経済

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