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経済成長率 16年上向き NESDB報告「2.8~3.8%」 政府支出、景気対策、バーツ安など好材料

 国家経済社会開発委員会(NESDB)事務局によれば、今年16年のタイ経済は2・8~3・8%増の成長となる見通しで、中間値は3・3%増。14年の0・8%増、15年の2・8%増から上昇する。

 NESDB事務局は、政府部門による消費支出と投資支出が引き続き経済成長の支援材料になると見ている。16年度予算の執行額は2兆5410億バーツと見込まれ、歳出総額の93・4%に達する見通し。国営企業の投資予算は16年度に4440億バーツ、予算総額である5924億3500万バーツの75・0%が見込まれ、15年度の執行額の3370億バーツを上回る。

 運輸インフラ整備の行動計画で予定されている20件のインフラ・プロジェクトに関しては16年度に668億3400万バーツが執行されると見ている。繰り延べ予算の執行は2900億バーツ、緊急の治水・道路輸送システム開発プロジェクト、景気刺激のための投資プロジェクトなど予算外の支出は663億バーツを見込む。

 また16年度には総額560億バーツの補正予算の編成が予定されており、93・0%に相当する520億バーツの年度内執行が期待される。

 政府が昨年9月以降に打ち出した一連の経済刺激策による経済成長の推進力は16年も維持される見通し。景気対策の総額は4688億5400万バーツに達しており、このうち15年中に執行された予算は2655億1600万バーツで、16年には1796億2700万バーツが経済システムに注入される。

 バーツ安基調も輸出に寄与する。15年はドル建てで見た物品輸出額が4・9%減少したが、バーツ建てで見た場合には3・8%減にとどまっている。昨年の下半期にはバーツ建てで見た輸出額は前年同期に比べて2・8%増加している。米国の金利引き上げを背景にバーツ相場は16年も弱基調が続きそうで、事業者のバーツ建てで見た収入の増加や資金繰りの改善に寄与する。

 観光セクターは16年も経済成長を下支えしそう。今年の外国人観光客数は3250万人が見込まれ、観光収入は1兆6500億バーツと、前年比でそれぞれ8・8%、9・8%増加する見通し。


日付 : 2016年02月22日

By : 週刊タイ経済

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