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タイ工業フェア開幕 初出展の日系企業も 景気減速下、販路開拓狙う

金属から食品まで幅広い業種の加工機械や物流機器を展示する見本市「タイ工業フェア/フードパックアジア」が3日、都内バンナー区のバンコク国際貿易展示場(BITEC)で4日間の日程で開幕した。同見本市は毎年開かれ、今年で14回目。中国や台湾の企業を中心に日本も含む計約250社が新製品などを出展。タイの景気が減速する中、新たな販路開拓を目指して今年初めて出展を決めた日系企業も目立ち、多くの来場者の注目を集めていた。

 会場は「産業機械」や「デジタル産業」など6つのエリアに分かれ、各企業が製品やサービスなどを紹介。各展示場は、来場した日系製造業やタイの食品メーカーなどの担当者たちでにぎわい、写真を撮りながら熱心に展示品を見て回っていた。

 出展業者の大半は中国や台湾の大手や中小企業だが、タイ国内に拠点を置く日系企業も日本人担当者が終日ブースに立って、訪れる見学者に対して機械の実演や製品の説明を行い、新たな顧客獲得に力を入れた。

 会場の入口付近に特に広いブースを構えたのは、横浜市でソーセージなどの食品加工機械の製造・販売をするハイテック社の現地法人「ハイテック・フード・イクイップメント」。中村伸二郎社長は「顧客開拓に良い機会」と話した。

 同社は2003年にタイに進出し、食品大手のCPからの受注などで事業を拡大。ソーセージ加工以外でも現地企業から引き合いが増え、ギョーザやパンの製造機械も取り扱い始めた。

 中村社長は「タイは今、不景気。受注予定が先延ばしになることもあるが、食品加工の需要は伸びている。展示会などをうまく活用していきたい」と力を込めて語った。

 一般社団法人「石川県鉄工機電協会」(金沢市)は、タイに拠点を持つ県内企業5社が参加するブースを設けた。

 配電盤や制御盤の製造・販売や電気工事などを手掛ける別川タイランド社は、11年に同県からタイへ進出し、13年に工場を開設。高橋勝彦ダイレクターは「タイの景気が落ち込む中、新たな顧客開拓は会社の成長と生き残りのカギを握り、非常に重要」と話した。

 13年に同県から進出した冷間鍛造金型などを製造するAMCアジア社の佐々木賢社長は「タイに進出してきたことを、まずより多くの日系企業に周知したい」と出展の理由を語った。

 見本市主催者のデジビュー・アドバタイジング・グループ社は今年の来場者数を、昨年実績の2万人から1・5倍の3万人と見込んでいる。


日付 : 2016年03月07日

By : 週刊タイ経済

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