ユーザー名 パスワード
クイック検索
キーワード

2月の貿易統計 輸出14か月ぶり回復 軍用車両、金が牽引

 商業省は25日、2月の物品輸出額が前年同月比で10・27%増の189億9400万ドルだったと発表した。14か月ぶりに前年同期比を上回ったが、軍事用車両の輸出や金などの需要の高まりによる一時的なもので、商業省は「改善の兆しは見えるが、まだ楽観視できる状態ではない」としている。

 バーツ建てでは6838億4200万バーツで前年同月比22・52%増だった。

 輸入額は前年同期比16・82%減の140億800万ドルで、貿易収支は49億8600万ドルと10か月連続で黒字になった。

 2月の輸出額を牽引した工業製品は13・8%増の約157億ドル。特に宝石・貴金属の輸出が伸び208・5%増、金地金が急激に伸び、1051%増の18億9000万ドルだった。軍事用車両の合計輸出額の6億8300万ドルも好材料となった。

 2月の輸出額のうち、金や宝石、軍事車両は、輸出額の約14%を占めている。この二つを除いた工業製品の輸出額は、前年比から2%減で、タイ製品のシェアは伸びていない。

 一方で農産物/アグロインダストリー製品では0・4%増の25億ドルと改善し、特に砂糖が107・4%増と伸びた。スウィット・メーシンシー商業副大臣も「2月の数字は回復したが、世界経済はまだ不透明で安心はできない。一方で農業部門で改善の兆しが見られたことは好材料だ」と期待を示した。

 輸出額全体の7・6%を占めている精製油・化学品・合成樹脂は18・5%減で、自動車・部品の輸出額も2・1%減少した。

 仕向地別ではこれまで輸出を牽引してきたCLMV諸国が5・8%減、中国向け7・6%と減少した一方、米国、EU(15)、ASEAN原加盟国(5)向けが伸び、特に日本向けが34・8%と増加した。

 商業省は今年の輸出額を前年比で5%増とする目標を掲げている。スウィット商業副大臣は「世界的に輸出が伸びない中で、新たな輸出産業を生み出していく必要がある」と投資誘致の重要性を強調した。


日付 : 2016年03月28日

By : 週刊タイ経済

登録