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小売業協会 小売指数伸び率 第1四半期は2.6%

 タイ小売業協会(TRA)は3日、第1四半期の小売指数が2・6%になったことを発表した。同協会のチャリヤー・ヂラティワット会長=写真=は、小売業の成長は過去20年で最低水準に落ち込んでいると指摘、政府にショッピング観光振興などを要求した。

 タイの小売業は過去20年間成長を続けてきたが、成長率は12年以降、低下の一途を辿っている。TRAの統計によると、02~12年の平均成長率は8%だったが、13年6・3%、14年3・2%、15年2・8%と推移し、今年第1四半期には2・6%とさらに低下した。耐久財、半耐久財、非耐久財それぞれの伸び率が同じように低下しており、タイ経済全体の低迷が影響していると見ている。

 TRAの推計では、15~17年の3年間の小売業の投資額は1302億バーツに上る。直接的な雇用創出が21万人、間接的な雇用創出は15万人に達するとしており、小売業の低迷は投資に影響し、ひいては国の経済にとってもマイナスになると説明した。

 TRAの発表によると、15年末時点の小売店の数は次のとおり。①コンビニ(1万3322)②家電販売店(1425)③ドラッグストア(1249)④スーパーマーケット(463)⑤スーパーセンター/ハイパーマート(376)⑥ホームセンター/家具店(343)⑦百貨店(74)。

 消費者グループで、現在の経済情勢の影響を最も受けているのは中所得層から下の層で、食品・飲料など非耐久財の消費の伸び低迷につながっている。一方、中所得層から上の層は景気低迷の影響をあまり受けておらず、過去5年間で平均12%増の外国人観光客とともに衣料・靴・化粧品・時計など半耐久財の消費を支えている。

 またTRAによると、中・高所得層の海外旅行は05年の293万6189人から、14年には644万3736人に、年平均9・1%増を記録。15年のタイ人の海外での商品購入額は1700億バーツ以上となり、タイ国内でのブランド品販売額508億バーツを大きく上回っている。

 TRAでは政府に対し、①ショッピング観光を振興するため、ブランド品価格が外国よりも20~30%高になっている現状を是正する。例えば免税店事業の自由化を進める。市内免税店を増やす。外国人には付加価値税を最初から免除するか後で還付する。②100万件を超えるオンライン販売業者の登録義務化でグレーマーケットを拡大させない。③買物額の所得控除など、昨年末に実施したような「救国ショッピング」政策の再実施、などを求めている。


日付 : 2016年05月09日

By : 週刊タイ経済

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