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1~3月期3.2%増 12四半期ぶりの高成長 NESDBが16日発表

 国家経済社会開発委員会(NESDB)事務局が16日に発表した国内総生産(GDP)統計によれば、2016年第1四半期(1~3月)にGDP成長率(前年同期比増減率)は3・2%増となり、昨年第4四半期の2・8%増から加速した。最近の12・四半期で最も高い成長率となるもので、季節調整済みの前四半期比でも0・9%増へと加速した。エコノミストの事前予測を大幅に上回るもので、NESDB事務局は通年の経済成長率が3・0%増超になるとの見方を示している。

 ポラメーティ・ウィモンシリNESDB事務局長によれば、1~3月期に支出面では政府支出と観光サービス輸出が高い伸びとなり、経済成長を牽引した。また家計支出も引き続き拡大している。政府の農民・低所得者支援措置が寄与している。民間投資は伸びが加速した。

 家計消費支出は2・3%増で、前の四半期の2・6%増に引き続き成長した。政府消費支出は8・0%増で、昨年最終四半期の4・8%増から加速した。総固定資本形成(投資)は4・7%増で、前の四半期の9・4%増から減速した。政府投資は12・4%増。民間投資は2・1%増で、前の四半期の1・9%増から上向いた。

 1~3月の物品輸出額は522億5700万㌦で、前年同期比1・4%減となったものの、前の四半期の7・9%減に比べると収縮幅は縮小した。輸出数量は1・1%増だったが、輸出価格は2・4%下落した。乗用車、米、砂糖などの輸出が増加した一方、天然ゴム、タピオカ、石油製品、石油化学・化学品などは減少した。仕向け地別ではアセアン(5)、オーストラリア向けが拡大した一方、米国、EU、中国、CLMV向けは減少した。金地金を除いた輸出額は5・1%減。バーツ建てで見た輸出額は1兆8620億バーツで、前年同期比7・7%増となり、前の四半期の0・9%増に引き続き拡大した。他方、輸入額は389億5600万㌦で、前年同期比14・4%減。数量と輸入価格の双方が減少した。

 生産面では農林水産業の生産が1・5%減となり、前の四半期の2・1%減に引き続き収縮した。製造業は0・3%減で、前の四半期の0・8%増から収縮に転じた。製造業で生産が拡大したのは家具、機械、ゴム・プラスチック、食品・飲料、化学品など。生産が減少したのは装身具、自動車、衣料、TV受像機など。設備稼働率は四半期平均で67・3%。

 建設業は11・2%増となり、官民の建設投資が伸びた。政府建設投資は14・9%増、民間建設投資は7・0%増を記録した。ホテル/レストラン業は15・8%増で、前の四半期の5・0%増から成長率が加速した。この四半期に外国人観光客数が900万人を数え、前年同期比15・5%増と前の四半期の3・7%増から加速したことが寄与している。1~3月期の観光収入は4942億バーツで、前年同期比21・7%増となった。ホテル客室稼働率は69・9%。

 経済の安定性は良好な水準を保っている。失業率は1・0%で、一般インフレ率はマイナス0・5%。経常収支は5850億6000万バーツ、GDP比16・6%相当の黒字だった。


日付 : 2016年05月23日

By : 週刊タイ経済

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