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職能別最低賃金 5産業20職種 賃金委が8月にも公示

 官労使の3者代表で構成する賃金委員会は5つの産業の職能別最低賃金を今年8月にも公示する方針だ。新たに導入する職能別最低賃金は技能レベル別に3段階に分かれ、20の職種をカバーしている。

 グリター・ソパチョーク労働技能開発局長は、労働技能の国家標準に基づく賃金レートを公示することで、技能を有した労働者が適切な賃金を得ることを保証するとともに、自らの技能を向上させたい労働者の励みにしたいと述べている。

 新たに導入されるのは、①電機・電子工業(電気設備・照明組立工、電機用モーター組立工、機械メンテナンス工、安全保障システム技術工)、②自動車部品工業(旋盤工、溶接工、機械メンテナンス工、自動旋盤機工)、③自動車工業(塗装工、レーザー工、自動車製品品質保証員、スポット溶接工)、④宝石工業(宝石研磨工、宝飾品鋳造工、宝飾品装飾工、宝飾品宝石工)、⑤ロジスティック産業(商品運送管理者、10㌧以下フォークリフト操縦者、商品保管管理者、倉庫管理者)。最低賃金はレベル1で1日あたり360~420バーツ、レベル2で同410~550バーツ。レベル3はまだ創設されていない。

 職能別賃金はこれまでに6つの産業、35の職種で導入されている。内訳は機械工業が6職種、サービス業が6職種、電機・電子・コンピュータが5職種、製造業が6職種、建設業が7職種、手工芸が5職種。賃金は、最低でも320バーツで、最も高い職種で815バーツ。現在、2万4564人が技能資格の認定を受けている。

 技能レベルは3段階で、レベル1は作業に必要な基礎的な技能と知識を有し、作業リーダーの助言の下に作業ができる者、レベル2は中程度の能力、技能を有し、機械工具を良く操ることができ、一定程度の経験を持つ者、レベル3は高度な技能を有し、分析力があり、問題解決能力も有し、知識と技能をもって新たな技術に応用する能力を持つ者とされる。労働者は国家職能資格試験センターの技能検定を受け、技能レベルの認定証を雇用側に提出する。

 新たに導入する20職種は8月にも官報公示を予定している。電機・電子工業分野の最低賃金はレベル1で1日あたり360~400バーツ、レベル2で430~480バーツ。自動車部品工業は4職種のいずれもレベル1で400バーツ、レベル2で480バーツ。自動車工業の最低賃金は4職種のいずれレベル1が400バーツ、レベル2が480バーツとなっている。

 グリター局長はこのほかにも66の職種での職能賃金導入を賃金委の委員長を務めるパンタリック・サミティ労働省次官に提出する準備を進めていることを明らかにした。一方、最低賃金の見直しに関しては、インフレ率や地域ごとの生活費の状況を調べるため、全国一律300バーツからの見直しの是非の審議は2か月間、先送りする。


日付 : 2016年06月13日

By : 週刊タイ経済

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