自動車工業の業況が上向いてきた。タイ工業連盟（ＦＴＩ）自動車部会が21日に発表した５月の自動車生産台数は16万台を超え、前年同月を24・69％上回った。政府の経済刺激策やインフラ投資を受け国内景気が緩やかに上向いてきたことを受け、国内新車販売台数も２桁増を記録した。輸出もピックアップ派生ＳＵＶ（ＰＰＶ）が伸びており、前年同月比で２桁増を記録した。

　５月の生産台数は16万８３９４台だった。前年同月を24・69％上回ったほか、前月比でも21・82％増となった。国内市場向けの生産が全体の40％を上回るまでに回復している。特にピックアップ・トラックの国内市場向け生産は33・82％増となった。前年同期にトヨタのモデルチェンジによる生産ライン変更があったため、ローベース効果が生じている。

　１～５月の自動車生産台数は81万３５０５台、前年同期を３・82％下回った。乗用車の生産台数は31万５７３３台で前年同期を４・16％下回ったものの、主力の１トン・ピックアップ・トラックの生産台数は48万７５９６台で、前年同期を10・22％上回っている。

　一方、国内新車販売台数は５月に６万６０１９台となり、前年同月を15・９％上回った。５月の販売台数は前月比でも20・１％増となった。１～５月の販売台数は30万２５６５台で、前年同期を２・０％下回っている。

　５月の輸出台数は９万９５４７台で、前年同月比11・93％増となった。ＰＰＶの輸出が好調で、輸出額は５４９億９０８２万バーツ、前年同月比26・27％増となった。エコカーよりも単価の高いＰＰＶ車の輸出額は１１０・２％増を記録している。この月のエンジン、その他部品、交換部品も合わせた輸出額は７８７億３３８７万バーツで、前年同月比21・47％増となった。１～５月の完成車輸出台数は48万７７９８台で、前年同期を２・３％上回っている。


日付 : 2016年06月27日

By : 週刊タイ経済