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失業率の上昇 中銀総裁は警戒

 ウィラタイ・サンティプラポップ・タイ中央銀行総裁はこのほど、5月の失業率が1・2%と、4月の1・0%から上昇したことについて、家計の債務支払い能力にマイナスの影響を及ぼすと述べ、密接に監視していく考えを明らかにした。失業は特に農業部門と大学文系新卒者の間で増えている。

 ウィラタイ総裁は、農業部門の労働者の失業増は干ばつの影響によるもので、雨季入りにともない失業率は落ちるが、新卒者の失業の増加は新卒者の能力が労働市場のニーズと合致していないという構造的な問題を反映している可能性があると指摘している。

 ウィラタイ総裁は、一部の産業部門で残業の中止など勤務時間の短縮が進むほか、雇用が減少している産業もあるものの、観光業をはじめとするサービス産業の雇用は伸びていると指摘。失業率の上昇は全体として懸念されるまでには至っていないとしている。ただし労働市場における需要と供給のミスマッチ、農業部門の低生産性、熟練労働者の不足などの構造的問題は是正していかなければならないとしている。

 一方、スメート・マホーソート労働省副次官は15日、タイ国トヨタ自動車のリストラで希望退職する960人の派遣社員の名簿を受け取ったことを明らかにした。これら労働者の再就職をサポートしていく。同副次官は他の自動車メーカーや部品メーカーにレイオフの動きがないことを強調。他の産業では24万人の求人があると述べている。


日付 : 2016年07月25日

By : 週刊タイ経済

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