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チャオプラヤ川の水量増 大洪水時のレベルには至らず

 気象局によると、バンコクでの降雨は10月中旬まで続く見通し。中部地方の上部から東北地方にかけて低気圧の前線が停滞しており、15日までは激しい雨が続くと予想している。10月5日までの予想はバンコクの60~80%のエリアで強い雨、一部エリアでは強い雨が予想されている。気象局の分類では1時間あたり雨量が10~35㍉が強い雨、35㍉超が激しい雨。

 チャオプラヤ川の流量は29日時点で1600立米/秒となっている。バンコクではチャオプラヤ川の流量が2500立米/秒までであれば水が溢れることはないという。内務省は25日、南部地方を除く各県の知事に洪水対策センターを設置するよう命じた。

 灌漑局はチャオプラヤ川の流量が増加しているものの、2011年の大洪水時に比べれば少なく、制御可能だとしている。第12地方灌漑事務所によると、チャオプラヤ・ダム(チャイナート県)からの放水量は現在1800~1900立米/秒で、最大で3700立米/秒を記録した11年当時には遠く及ばない水準。灌漑局ではチャオプラヤ・ダムの放水量を増やしているが、チャオプラヤ水系で現在冠水しているのは毎年洪水になるエリアで、流量が2000立米/秒までであれば被害はこれ以上拡大しないと説明している。

 アユタヤ県などの中部各県の穀倉地帯では、農民が洪水になる前に収穫しようと雨季米の刈り取りを急いでいる。ただし今年は雨期入り前の干害で田植えを遅らせた農民が多く、75万ライ以上の水田では稲刈りが10月にずれ込む見通し。灌漑局では稲刈りが終わった水田地帯に水を引き込むことで流量調整を計画している。

 一方、11年の大洪水で甚大な被害を受けたアユタヤ県ではバンクロット防水壁の修復を急ぐ方針。プラナコン郡のクロンスアンプルー水門からバンパイン郡のバンワー水門までの10㌔㍍に建設された防水壁兼用道路で、チャオプラヤ川が決壊、溢水した場合に、ロジャナ工業団地、バンワー(ハイテック)工業団地、バンパイン工業団地方面への水の流れを堰き止める役割を果たす。一部崩壊した部分を修復し、万が一の事態に備える。


日付 : 2016年10月03日

By : 週刊タイ経済

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