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TICON タイ・ビバレッジ と資本提携関係に

 レンタル工場・倉庫の開発と賃貸をコアビジネスとするタイコン・インダストリアル・コネクション社(TICON)は、ジャルーン・シリワタナパクディ氏のタイ・ビバレッジ・グループが保有するシンガポールの不動産会社と資本提携する。10日に発表したプレスリリースで、シンガポールの上場企業、フレイザーズ・センターポイントのタイ現地法人であるフレイザーズ・プロパティ・ホールディングス・タイランド社を引き受け手とする第三者割り当ての私募増資の実施を発表した。

 ウィラパン・プーンゲート社長によれば、同社は7日に開いた取締役会議で、増資によるFCLへの新株割り当てを認可した。7億3500万の新株を1株18バーツで割り当てる。これにより調達する資金は約132億バーツ。新株の割り当て価格は3日時点の終値を5・9%上回るほか、過去15日、30日の加重平均株価をそれぞれ11・2%、13・6%上回る。割当価格は、自社の資産価値、財務状態、業績、成長見込みなどを考慮して決定したとしている。この増資によりTICONの登録資本金は10億9000万バーツから18億4000万バーツまで増え、フレイザーズは40%を保有する大株主になる。これにともない3人の取締役を派遣する。

 TICONはタイ国内の18の工業団地とその他33か所にレンタル工場と倉庫を開発している。現在の保有面積は合計約250万平米。TICONは子会社を通じて物流団地の運営も手がけており、タイ・ビバレッジは買収により国内最大のロジスティック・プロバイダーを目指す。

 チャーン・ビールなどのアルコール飲料で大手のタイ・ビバレッジは、自社で物流業務も手がけているが、タイコンのロジスティック・ノウハウとネットワークに食指を動かした。将来的には東南アジア、特にカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムを横断する物流網の形成を目指しており、すでにベトナムでは自前の物流網を築いている。ミャンマーでも自社展開を計画している。タパナ・シリワタナパクディCEOは、営業費用と商品配布のコスト低減の鍵を握るのはロジスティックだとしている。

 アジア・プラス証券のアナリストはTICON買収に成功すれば、タイ・ビバレッジの物流機能が強化されるだけでなく、グループ外部の顧客向けの物流サービスへと活動分野を広げることができると見ている。


日付 : 2016年10月17日

By : 週刊タイ経済

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