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物品輸出の業種別動向 エビは2桁増期待 自動車は苦戦つづく

 商業省の貿易統計によれば、今年のタイの輸出産業の景況は業種によって微妙に異なっている。農産・農産加工品では、冷凍水産品が最終四半期(10~12月)に受注増が予想されている。競合国が養殖エビの疫病を克服していないため、最終四半期にはタイへの受注増が期待されており、輸出高も16億2000万㌦へと12%増加する見通し(タイ冷凍食品協会)。しかし原料不足により通年では前年並みの40億3000万㌦程度にとどまる見込み。一方、ツナ缶はバーツ高とブリキ価格高騰により、今年の輸出高は前年並みの19億9000万㌦前後となる見通し(タイ・ツナ産業協会)。野菜・果実は3%増の15億9000万㌦、コメの輸出は数量ベースで9%増の950万㌧と予測されている。

 自動車の輸出高は前年実績の313億㌦を1%ほど割り込む見通し。中東向け輸出が不振のため、次年度以降は代替市場の開拓に力を入れるというのが業界の方向で、アセアン市場に加え、インド、豪州、ロシア・CIS、南米などがターゲットになるという(商業省国際貿易振興局)。

 宝石・ジュエリー輸出も世界的な景気の低迷やテロの影響などで1%減が予測されている。金を除く貴金属・宝石類の輸出は苦戦しているが、低価格帯のものは成長が続いているという。

 ライフスタイル商品(家具、台所用品、贈答品、家庭用検査機器、家庭用繊維品、玩具、文具など)は、今年1~8月の受注が前年を2%割り込んでいたが、最終四半期は28億㌦を受注して回復の兆しを見せている。この分野でタイ産品は、その品質水準やデザイン、アフターサービス水準などで国際的にも高い評価を得ており、価格的にも中国産には見劣りするものの、依然として競争力を維持しているという(タイ・ライフスタイル商品連合会)。


日付 : 2016年11月07日

By : 週刊タイ経済

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