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エタノール不足 燃料需給に影響も

 エネルギー省エネルギー事業局は、燃料に混合するためのエタノールが12月に不足する可能性が高まってきていることを明らかにした。PTT、シェル、シェブロン(カルテックス)の石油元売大手が揃って指摘しているもので、各社は備蓄しているエタノールの利用を申請している。備蓄量は需要量の3・5日分。

 エネルギー事業局のウィトゥーン・クンチャルーンウィワット局長=写真=によれば、エタノールの国内生産量は1400万㍑なのに対し、消費量は平均360~380万㍑。しかし今年1~10月の燃料需要が14%拡大していることから、エタノール不足が12月中に5~6日間生じる可能性が指摘されている。同局では近日中に石油元売各社と打開策を協議する方針。

 今回の不足の原因は複数のエタノール精製工場が設備補修を理由にほぼ同時に生産ラインを停止したことと、主原料となる糖蜜の供給がサトウキビ収穫時期のずれ込みにより遅れる可能性が高まってきていることにある。定期修理にともなう生産休止については今後は事前通知を義務付けるなどして、全体の生産量に影響が出ないように配慮することを各社と申し合わせする方針。一方、サトウキビの収穫は、例年なら11月始めにスタートし、そのほぼ半月後には製糖工程の副産物である糖蜜が市場に流通するが、今年は天候の影響で収穫開始がずれ込んでいる。  ウィトゥーン局長は7日に記者会見を開き、12月から2月にかけてのエタノールの需給逼迫について、燃油取引業者に影響が及ぶ可能性があることを認めつつも、当局が状況を密接に注視しているとし、問題の解決は可能だと述べた。現在、エタノールは18社が21の工場で生産しており、設備能力は日量490万㍑ある。これに対し、需要量は日量360~370万㍑。12月の生産計画は各社合計で日量380万㍑あり、需要量を上回っていることを強調している。


日付 : 2016年12月12日

By : 週刊タイ経済

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