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11月の輸出は2桁増に 前年同月比10・2%増

 商業省が12月26日に発表した11月の物品輸出額は189億1100万㌦となり、前年同月比10・2%増を記録した。金額では9か月ぶりの高水準。この結果、1~11月合計の輸出額は1971億6200万㌦となり、前年同期比0・05%減まで収縮幅が縮小した。

 11月の輸入額は173億6800万㌦で、前年同月比3・0%増。輸入の増加はこれで3か月連続となった。11月の貿易収支は15億4300万㌦の黒字。

 11月には農産物・アグロインダストリー製品の輸出額が前月の収縮からプラス成長に転じた。輸出額は前年同月を12・7%上回った。コメの輸出額は25・9%増、天然ゴムの輸出額は15・6%増、タピオカ製品は18・4%増となった。ただし砂糖の輸出は23・5%減少した。

 工業製品の輸出額は11月に9・8%増となった。機械・同部品は31・3%増、電化製品・同部品は34・8%増、合成樹脂は10・9%増、ゴム製品は12・5%増、半導体は85・4%増となった。ただし金地金を除く宝石・ジュエリー、TV受像機、衣料、変圧器・同部品の輸出額はそれぞれ順に10・9%、17・1%、7・5%、9・8%減少した。

 11月の輸出を仕向け地別に見ると、日本、中国、南アジア、CLMV向けが引き続き伸びている一方、EU(15)、米国、アセアン(9)向けはプラス成長に回帰した。日本向けの輸出額は22・5%増。電化製品(190・3%増)、自動車(33・2%増)、鶏肉調製品(21・9%増)、コンピューター(15・2%増)、機械(13・2%増)の輸出が伸びた。中国向けの輸出額は22・0%増。合成樹脂(43・7%増)、天然ゴム(7・9%増)、タピオカ製品(44・1%増)、コンピューター(11・6%増)、化学品(1・5%増)の輸出が伸びた。米国向け輸出は10・3%増で、コンピューター(4・5%増)、ゴム製品(32・6%増)、宝石(13・7%増)、水産品(5・3%増)、輸送機械(31・9%増)の輸出が伸びた。

 ピムチャノック・ウォンコーポン通商政策戦略事務局副事務局長の説明によれば、12月の輸出が前年並みにとどまった場合、通年の物品輸出額は微減となり、前年比でのマイナス成長は4年連続となる。商業省が目標とする通年0・3%増を達成するためには12月の輸出額は前年同月比で4%超の成長が必要になる。

 一方、17年の物品輸出に関しては、商業省は前年比で2・5~3・5%増の成長を期待している。原油相場の反発に加え、米国経済の回復を受け世界経済が上向くと見られていることが理由。国際通貨基金(IMF)は17年の世界経済の成長率について、16年見込みの3・1%増を上回る3・4%増と予測している。米国経済は今年見込みの1・7%増に対し、2・2%増に加速すると予測されている。これを受け米ドルは強基調で推移しそうで、バーツ安はタイの輸出に寄与することになる。


日付 : 2017年01月09日

By : 週刊タイ経済

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