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なぜタイを選ぶのか

 タイは、以下に記すように、外資企業が投資を行なうに値する理由をいくつも兼ね備えていると言えるであろう。
(1)バンコク国際空港は、ASEAN を中心に世界に広がるハブ機能を持つ空港である。2005 年度には新国際空港の開港も予定されており、世界2~3位の規模の空港になると言われている。
(2)君主制国家であるために、ASEAN 周辺諸国に比べて、政治的、社会的に安定している。また、タイ国民は仏教徒が9割以上を占め、穏やかかつ友好的な性格を持っている。 (3)優秀な若年労働者を日本国内での人件費よりも安価に確保することができる。
(4)GDP(国内総生産)成長率は年々増加しており、2003 年には 6.7 %と高い成長率を遂げており、アジア通貨危機による打撃を完全に克服したと言える。
(5)自動車産業は国内販売の回復と輸出の拡大によりタイ経済復活の原動力となっているが、2002 年のタイへの直接投資額が 2001 年の半分に落ち込む中で、自動車を含む金属加工・機械への投資は底堅く唯一前年比微増となった。
(6)外国からの投資を誘致するために、BOI(タイ投資委員会)という機関が設置されている。BOI は産業高度化に役立つ事業を奨励しており、産業投資奨励の政策策定の他、奨励対象事業は法人所得税等の免除、減税などの恩典を受けることができる。
(7)経済成長に伴って、エレクトロニクス、ファッション、高付加価値飲食産業、ヘルスケアなどの新興産業の台頭が目立っている。 こうした状況が、タイで投資をする外資企業への追い風となっている。

国別/業種別の状況

 2001 年にタイに直接投資をした外国資本の構成を見ると、日本 43 %、アジア NIES 24 %、北米約 8 %、欧州約 13 %となっており、約 7 割をアジア諸国が占めている。また、業種別状況を構成比で見てみると、電気・電子 25.5 %、金属加工 18.5 %、農産品 16.8% 、サービス・インフラ 13.3% 、化学・紙 12.2% 、軽工業品 11.5% 、金属・セラミックス 2.2% となっている。

投資規模の状況

 1 億バーツ以下の案件は全体の 62.6 %(件数 513 件)を占めており、特に、2000 万から 1 億バーツの層に最も投資が集中している。一方、2001 年の投資案件 1 件あたりの平均金額は 3.2 億バーツであり、投資案件が最も多い層と平均投資金額の間には 3 倍ほどのギャップが見てとれる。

日本からの投資状況

 日本資本によるタイへの投資は、2001 年は 257 件(対前年比 25 件減少)、投資金額 834 億バーツ(対前年比 22.3 %減少)となり、件数金額ともに減少を見せた。内容としては、既存投資の拡大が約 65 %を占め、拡大投資の件数が新規投資件数を上回った 1997 年以降と同じ傾向が続いている。
日本の直接投資の特徴として挙げられるのが、金属加工、電気・電子関係の投資件数の割合が多く、全体の約 7 割を占めているということであろう。業種別の件数で見ると、金属加工 90 件(前年比 5 件減少)、電気・電子 83 件(前年比 7 件減少)、化学・紙 34 件(前年比 10 件減少)、軽工業品 13 件(前年比 3 件減少)、農産品 9 件(前年比 6 件減少)、金属・セラミックス 4 件(前年比 2 件減少)と減少傾向にあり、サービス・インフラ 24 件(前年比 8 件増加)のみ増加している。
また、業種別の投資金額を見ると、化学・紙 337 億バーツ(前年比 19.5 %増加)、金属加工 199 億バーツ(前年比 40.1 %増加)、電気・電子 184 億バーツ(前年比 52.2 %減少)、農産品 53 億バーツ(前年比 56.9 %減少)、サービス・インフラ 27 億バーツ(前年比 145 %増加)金属セラミックス 18 億バーツ(前年比 71.9 %減少)、軽工業品 16 億バーツ( 76.1 %減少)の順となっている。電気・電子分野での投資金額が大幅に減少したことで、全体の投資金額にも影響が出た結果となった。
1 億バーツ以下の案件は全体の約6割を占めており、前年構成比 50.7 %より約1割増加した。特に、2000 万バーツ以下の層に 110 件(前年比 26 件増加)と最も投資が集中している。一方、2001 年の投資案件 1 件あたりの平均金額は 3.2 億バーツであり、前年度の 3.8 億バーツに比較して若干小型化した。

参考
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