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  タイに進出した日系企業の人材募集方法としては、民間の人材紹介会社の利用、新聞その他メディア(求人情報誌、フリーペーパーなど)を通じた求人、及び募集張り紙(工業団地事務所や入居しているオフィスビル1階ロビーなど)や求人サイトへの掲載などが一般的です。

  日本人が現地で立ち上げた企業やタイローカル企業など、一部の小規模な会社では、人材募集を行う際、広告料や人材紹介会社への手数料を払いたくないためか、無料(もしくはわずかな料金)で人材募集広告が掲載できる一部の新聞やフリーペーパー、ホームページ、張り紙広告中心で求人を行う会社もある。ワーカークラスならともかく、タイでは日本以上に求職者の人材紹介会社利用率が高く、英語力も問われる機会が多い点などを考慮すると、マネージャー等の管理職や大卒、専門職などで優秀な人材を採用したい場合には、英字新聞や求人サイトへ人材募集広告の掲載、人材紹介会社の活用など、ある程度の投資は覚悟しておいたほうがよいでしょう。

  それでは、以下、タイにおける代表的な人材募集方法について検証していきます。

■ 新聞広告

  日本同様、もっとも―般的な人材募集方法の1つ。募集企業に知名度がある場合にはかなり有効です。そうでない場合、まったく応募がないこともありますし、応募があっても企業が希望する人材が皆無ということもあります。ただし、人材募集広告を頻繁に、もしくは長期間出し過ぎると、いつまでも人が来ない、何か問題がある企業と思われ逆効果です(実際、タイには日系企業、タイローカル企業含め、中には問題がある企業もあります)。

  タイで新聞に求人広告を掲載する場合、特に英語力のある人材を募集する場合以外も、タイ人の大卒や幹部社員を募集する際には、タイラットやデイリーニュース等のタイ語新聞より、タイにおけるクオリティーペーパーであり有力全国紙でもある英字新聞(Bangkok Post及びNation)で募集する場合が多い点が特徴です。Bangkok PostとNationでは、求人広告に対する反応に関しては、老舗Bangkok Postのほうがより有効のような気がします。もちろん、平日よりも、土曜版や日曜版に掲載するようにしたほうが、より効果的です。

■ 人からの紹介

  タイでは、会社の従業員など、人からの紹介による縁故採用が多い点も特徴です。紹介には外部からのものと、会社内の人間からのものがあります。いずれにしても、信用のある人からの紹介の場合、ある程度身元のしっかりした従業員を長期雇用できる可能性が高いため、タイで有効な採用方法の1つです。特に、会社のお金の横領や持ち逃げといった問題が発生する可能性がある経理や財務、業者からのキックバックの問題がしばしば発生する購買など、お金に関わる部署で新規にマネージャーやスタッフを雇う場合には有効でしょう。

  ただし、特に会社内の人間からの紹介の場合、社内に派閥やグループを作る事にもなり、タイ人は自分より優秀な人を同じ職場に置きたがらない傾向がある点も知っておいたほうがいいでしょう。また、紹介した従業員が辞める際に一緒に他社に転職してしまう、紹介者の転職後にしばらくして引き抜かれてしまうといった問題も出てくる可能性があります。

■ 人材紹介会社の活用

  前記のように、タイ人の大卒スタッフや幹部社員の募集においては新聞広告も有効ですが、1人の募集に対して数十人が応募してくる可能性もあります。また、日本人が面接に立ち会う場合、言葉の問題もあり、短時間の面接で的確な人材を選択するのは容易ではありません。さらに、日本語の通訳を探す場合や地方の工業団地でタイ人マネージャーを探す場合なども、自社で探すのは大変ですし時間もかかります。そこで、採用する人材の初任給2ヵ月分程度の手数料がかかるものの、人材紹介会社を通じて雇用するのが現実的な場合も多いです。

  バンコクには、日本でも有名な大手業者も含め、日系企業を対象とする人材紹介業者が数多くあり、大手では2~3万人、中小でも4~5千人の登録者を抱えていると言われています。ただ、なかには顧客の要求よりも、自社の利益を優先して考える会社もあるようなので注意が必要です。求職者も数社の人材紹介会社に登録している場合が多いので、こちらも複数の人材紹介会社を比較し、企業側の要求に合うよう、誠心誠意努力してくれる会社を利用したいものです。

  以下、参考までに、日本人担当もしくは日本語対応可能なタイ人担当者がおり、日系企業向けにサービスを行っている主な人材紹介会社(ホームページがある会社のみ)を掲載します。

人材紹介会社一覧

社名 URL
A-Link Recruitment Co., Ltd. http://www.alink.co.th/
Abroad Recruitment Co., Ltd. http://www.abroadbkk.com/
Adecco Thailand(Japanese Division) http://www.japthailand.adecco-asia.com/
BANGKEN ENGINEERING RECRUITMENT CO.,LTD. http://www.bangken.com
BKK HI-QUALITY RECRUITMENT Co., Ltd. http://www.bkkhi.co.th/
Dee Staff Recruitment Co., Ltd. http://www.deestaff.com/
JAC Recruitment Thailand http://www.jacthailand.com/
JD Orient Recruitment Co., Ltd. http://jd-orient.com/
LINKLES O.M CO., LTD. http://www.linkles.com/
M&A Consultants Recruitment Co.,Ltd. http://www.m-agroup.com/jp/recruit/
PA ∧ CA RECRUITMENT Co., Ltd. http://www.paca.co.th/
PERSONNEL CONSULTANT MANPOWER (THAILAND) Co., Ltd. http://www.personnelconsultant.co.th/
Pasona Employment Agency (Thailand) Co., Ltd. http://www.pasona.co.th/
Saiyo Recruitment Co., Ltd. http://www.saiyo.co.th/
SANWA TACT RECRUITMENT CO., LTD. http://tact.co.th/AboutUs_J.htm
Staff DB (Thailand) Co., Ltd. http://www.staffdb.net/
Tempstaff Recruitment Co., Ltd. http://www.tempstaff.co.th/
TROPICAL WAVES RECRUIT CO., LTD. http://www.tropicalwaves.info/
Wide Spread Intertrade Recruitment Co., Ltd. http://www.wsjob.com/

■ 求人サイト、就職情報誌など

    近年は日本同様、タイローカル企業が運営する大手求人サイトへの掲載など、インターネット経由の募集も増えています。また、タイにも就職情報誌(ワタチャックなど)があり、最近ではBTSの駅構内で無料転職情報誌が配布されるようになりました。タイの就職情報誌は、急いでスタッフなどの人材を募集するのには有効ですが、マネージャークラスの人材を募集する場合は英字新聞や人材紹介会社を活用する場合が多いようです。

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