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   「タイでのビジネス」で触れたように、タイで外国人がビジネスを始める(=法人を設立する)場合は大きく3種類に分かれ、ひとつが現地法人、もうひとつが駐在員事務所、最後が地域統括事務所となる。しかし、外国人事業法による規制で事業内容に制限があることから、実際にはタイの会社法に基づいて、現地法人を設立して活動する日系企業が多いのが実状である。現地法人といっても、タイ資本が過半数の株式を保有するもの、外資が過半数の株式を保有するものがある。外資が50%以上を保有する場合、外国人事業法の規制対象となるが、 BOI(タイ国投資委員会)の認可事業においては、この法律の枠外となり、外資100%が認められている。BOIかIEAT(タイ国工業団地公社)の奨励を受けるか、どちらの奨励も受けないかで、受けられるメリット・デメリットが大きく分かれてくる。

■ BOI(タイ国投資委員会、Board of Investment)

   http://www.boi.go.th

BOI とは、国内外の投資奨励を行なう機関で、認可を受けると以下のような恩典を受けることができる。
法人所得税、輸入関税等の減・免税/輸送、電力、水道の経費の割増控除/設備の据付、インフラ建設費用の割引の控除/労働許可、ビザの延長が容易/外国会社の事業用土地所有
BOI では工場の立地条件により、ゾーン制をしいている。どのゾーンに工場を設置するかにより、受けられる恩典の減・免税期間、比率が異なってくる。

■IEAT(タイ国工業団地公社、Industrial Estate Authority of Thailand)

   http://www.ieat.go.th/

IEAT とは、工業団地の整備・管理・運営をする国営企業である。IEAT が直轄する工業団地、または民間工業団地との共同運営の工業団地、どちらの工業団地内に工場があっても IEAT から受けられる恩典には差異はない。それぞれの工業団地は特色があるため、地域別の選択と共に、事業者の条件に合う工業団地の選択が必要となってくる。
IEAT から工業団地内の土地取得または賃借が認められた場合、以下のような恩典を受けることができる。
外国人出資比率49%でも土地所有が可能/労働許可、ビザの延長が容易/工場建設許可や工場設置許可等の手続きをIEATを通じて行なうことが可能/Export Processing Zone(輸出加工区)では輸入機械、原材料にかかる関税、付加価値税などは免除される

BOI、IEAT、その他の比較

BOI IEAT 奨励を受けない
従事可能な業種 奨励業種に挙げられている業種 BOI奨励業種の他、生産活動、サービス活動も認められる 外国人事業法で規制される業種には従事できない
外資割合 ほとんどの場合、外資100%が可能 外国人事業法の規制業種を営む場合、外資を50%未満とする必要がある 外国人事業法の規制業種を営む場合、外資を50%未満とする必要がある
土地購入・所有の可否 認可を受ければ出資比率にかかわらず土地取得が可能 認可を受ければ出資比率にかかわらず土地取得が可能 土地法により資本持分の49%を超えて外国人が保有している場合、原則として土地の所有権登記はできない
法人所得税 減免恩典あり 減免恩典なし 減免恩典なし
機械・設備にかかる輸入税 減免恩典あり 減免恩典なし但し、輸出加工区に入居する場合は輸入にかかる租税はすべて免除 減免恩典なし
輸出用製品の原材料にかかる輸入税 輸出用製品の原材料にかかる輸入税 減免恩典なし但し、輸出加工区に入居する場合は輸出用製品の原材料であるかどうかにかかわらず免除 減免恩典なし但し、輸入時に輸入税に対する保証金または銀行保証を税関に差し入れ、輸出後に輸出証明により保証金等を還付してもらうことができる
参考

ジェトロホームページ

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