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BOIと呼ばれる首相が委員長を務めるタイ政府投資委員会では、タイの地方への投資誘致を図るため、国土を3つのゾーンに分け、首都バンコク近郊での税金の減免などの奨励措置を減らし、バンコクから遠くに進出するほど恩典内容を良くしています(詳細は「BOI恩典ゾーン区分」参照)。しかし、地域ごとの奨励策とは別に、BOIでは、タイの産業政策により(1)農水産業及び関連製品製造業(2)技術開発及び人的資源の開発に関わる事業(3)公共事業、公共建設、基本サービスに関わる事業(4)環境の保全と回復に関わる事業(5)特別な目的を有する事業の分類に属する産業のうち、とくに重要な業種が特別に投資を奨励する業種(特別重要業種)として指定しています。 具体的には以下のとおりです。 特別重要業種 1)農産品加工
2)安全・環境保全事業
2-1 研究および開発事業
2-2 理科学実験室
2-3 計測
2-4 人的資源開発
3)交通・インフラ建設事業
3-1 公共事業および公益サービス
3-2 人および貨物の多量大規模輸送
4)研究・開発(R&D)を含む技術・人材開発関連事業
4-1 環境対策団地
4-2 汚水、ごみ処理および運搬、産業・特別な化学品のごみ処理(産業廃棄物)
5)その他の特定産業
5-1 鋳造による鉄部分製造(誘導路)を持つもの
5-2 鍛造による鉄部品の製造
5-3 機械およびその設備の製造
(1) 金型および部品の製造業
(2) ジグ
(3) 産業機械製造
(4) 精密高速機械の切断、洗浄、旋盤、削り、磨き、捩じ込み用備品および資材
5-4 粉末冶金
5-5 航空機およびその部品の製造あるいは修理
5-6 乗物の部品の製造
(1) ABSブレーキシステムの製造
(2) 触媒変換機用の回路基板の製造
(3) 電子燃料噴射装置の製造
5-7 熱処理
5-8 マイクロエレクトニクスの材または基盤
5-9 電子産業のデザイン
5-10 ソフトウェア
5-11 ソフトウェア工業団地
5-12 国際流通センター
特別重要業種については、地域ゾーンを問わず「機械輸入関税全額免除」および「8年間の法人所得税免除」の恩典が与えられます。これに加えて、進出先が地域ゾーンによる優遇措置を受けられる立地の場合、立地条件により与えられている恩典も受けられます。その他にも、特別重要業種として指定されている金型製造などでは例外的に第1ゾーン(バンコク近郊)での操業が許可されますが、特別重要業種以外(プレス加工業など)では、数百キロ離れた地域でなければ恩典が与えられないなど、特別重要業種は非常に厚遇されていると言えます。 サポーティング・インダストリー振興 BOI(タイ投資委員会)は、タイの技術発展に貢献するサポーティング・インダストリー(裾野産業)の誘致にもっとも力を入れている。以下の19業種はタイの技術発展に貢献する裾野産業として、特別重要産業業種として指定されています。これらのサポーティング・インダストリーは、立地にかかわらず「機械類の輸入関税が免除」および「法人所得税が8年間免除」されるだけでなく、輸出条件、立地にかかわらず外国人による過半数または全額出資が認められます。
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