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  タイの工業団地は、大きく3つのゾーンに分けられている。

  1つ目は一般加工区(GIZ)で、これは国内販売及び(あるいは)輸出向け製造産業のための地区である。

  2つ目は輸出加工区(EPZ)で、こちらは輸出のみを目的とした製造産業のための地区である。輸出加工区(EPZ)を有する多くの工業団地は迅速な通関手続きが行えるように、関税局出張所が設けられている。そのため、貴社の製品のほとんどが輸出用なら、工場は工業団地のなかにある輸出加工区(EPZ)に置くと良いだろう。逆に輸出品が占める割合がそんなに大きくない場合、一般工業区(GIZ)が適切な選択だと言えるだろう。

  3つ目はフリーゾーン(FZ)で、輸出免税区(EPZ)を簡素化したものだ。1997年に制度化された“フリートレードゾーン(FTZ)”に関しては、まだ実現していない。

■ 一般加工区(GIZ)

  国内販売及び(あるいは)輸出向け製造産業のための地区。フリーゾーン(FZ)も用途区分上、一般工業区(GIZ)の一部と見なされており、既設の一般工業区(GIZ)に関税局所轄の“TAX-FREE特典”が付与された特定ゾーンと定義される。そのため、統計上は一般工業区(GIZ)としてカウントされている。

■ 輸出加工区(EPZ)

  タイには輸出加工区(EPZ)と呼ばれる保税区域が存在するが、貨物搬出入時に工業団地公社の承認を得なければならないため、手続きに1~3日要する。

IEAT系列団地内の輸出加工区(EPZ)に入居した場合の特典の追加付与
IEAT系列団地に入居の場合、以下の優遇恩典を受けることができる。
(1) 内外資を問わず土地取得が可能。
(2) 外国人技能・技術者、専門家の雇用就業滞在ならびに配偶者・扶養家族の同居滞在
(3) 投下資本や受益配当金などの外国送金または持ち出し

  さらに輸出加工区(EPZ)入居の場合、上記のインセンティブに加え、以下の特典の追加付与がある。これらの優遇措置は、法人税などの扱いを除き、BOI奨励恩典と同等だが、時限立法ではなく効力期限に制約がない。

・ EPZへ搬入される物品には輸入関税、物品税、付加価値税(VAT)、BOI特別手数料が免除される。輸入関税、付加価値税(VAT)が免除されるのは、工場建設資材、生産用原材料・部材の場合である。
・ EPZから他のEPZへ搬入される物品にも、輸入税、物品税、付加価値税(VAT)、BOI特別手数料が免除される。BOI認可の輸出拠点型やEPZ内企業との商取引は無税扱い。
・ タイ国内への販売は60%認められる。その際は販売される品目に課せられる輸入税、物品税、付加価値税が課せられる。EPZへ輸入するとき免税となった輸入税は支払わなくてもいい。
・ 製品、半製品の輸出関税の免除

“EPZプラス”制度

  従来のEPZ制度との差異は、以下のとおりである。

・ 入居資格業種として、従来の製造業の他に「販売」や「サービス」業が追加された。
ただし、販売やサービスの提供先は投資奨励対象の製造業やサポーティング・インダストリーと位置付けられるものに限定され、なおかつ輸出主導型(間接輸出も含む)事業であること。
・ 輸出比率は2003年以降撤廃され、運用面で大幅に緩和された。

  その結果、EPZ入居業種の拡大と共にTAX-FREE操業の自由化が一段と進展している。しかし、フリーゾーン(FZ)制度と比較してみると、非BOI認可企業やタイ国内販売時に課税される輸入関税率が完成品ベースで査定されるという不利な面が残っている。そのため、この点をフリーゾーン(FZ)入居並みに、原材料や部材ベースに置き換える制度の一部改正が、EPZ入居企業から望まれている。

■ フリーゾーン(FZ)

  フリーゾーン(FZ)とは、2000年の関税法の改訂にて制度化された「デューティー・フリーゾーン(DFZ)」の呼称が改称統一されたもので、輸出指向型企業の誘致目的として政府が2002年度に導入した最新の制度だ。関税法の下で奨励された特別区“フリーゾーン(FZ)”では、国外同様の扱いを受けることができ、輸出加工区(EPZ)と同じ機能を持つ。国内販売を行う際には、現地調達率の割合により特恵税率が適用される。

  2002年から始まった新しい保税地域制度“フリーゾーン(FZ)”は税関直轄のため、手続きが不要で迅速な貨物の搬出入が可能なことから、日系企業を中心にフリーゾーン内倉庫のニーズが高まっている。このフリーゾーン(FZ)の区分として、1)工業用途と2)商業用途に区分されているため、入居に際し区分の事前確認が肝要である。

“フリーゾーン(FZ)”制度

  入居資格業種やTAX-FREE特典は、前記のEPZプラス制度と同等である。両制度の追加特典は以下のとおりである。

・ 保税見返りの銀行保証の差し入れ不要。
・ タイ国内およびASEAN向け販売へのAFTA特恵関税享受資格(ただし、条件付)。
・ 保税期限および原材料消費フォーミュラ制約なし、および廃材処分の免税扱い。

  所轄官庁は関税局の主管、工業省(またはIEAT)の共同管理体制の下、当該工業団地との共同運営の形態をとる。そのため、入居者の許認可などの行政窓口は、TAX-FREE操業認可は関税局に、その他の工業許認可は工業省(またはIEAT)となる。 “フリーゾーン”における各種奨励恩典得

(1) 機械設備・工具などの輸入関税免除(無期限)
(2) 物品税、消費税の免除
(3) タバコ酒税法における各種酒税、印税などの免除
(4) 標準化・品質管理法の適応免除
(5) オンサイトにおける迅速な通関手続き
(6) 整備された各種インフラ
(7) 各種BOI税恩典(各案件詳細により異なる)
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